中国政府が発表した最新の経済成長率は3.5パーセントから4.0パーセントの範囲にとどまっているが、この数字の信頼性を疑問視する声が世界中で強まっている。実際の経済状態は公表された数字よりもはるかに厳しく、実質的にはマイナス成長に陥っているのではないかという分析も出ている。


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 景気悪化の最大の要因は、長年中国経済を支えてきた不動産市場の歴史的な不況だ。かつては建設ラッシュに沸いたが、現在は買い手がつかない在庫の山となっている。大手不動産開発会社が多額の借金を抱えて経営危機に陥り、各地で工事が中断したまま放置されたマンションが目立つ。住宅価格が下がったことで国民の資産が減り、消費者の購買意欲を大きく冷え込ませている。

 若者の雇用情勢も深刻だ。大学を卒業しても希望する仕事が見つからない若者が増えており、将来への不安から貯金を優先する傾向が強まっている。人々が物を買わなくなれば企業の売り上げは落ち、さらに給料が上がらなくなるという悪循環が生じている。こうした状況下では、経済が成長しているという実感はほとんど得られないのが実情だ。

 それにもかかわらず公式数字がプラスを維持している背景には、中国特有の統計事情がある。地方政府には中央政府が掲げた成長目標を達成しなければならないという強い政治的圧力があり、数字を実態よりも良く見せるための調整が行われているとの見方が絶えない。また、政府主導によるインフラ投資で一時的に数字を押し上げている側面もある。

 中国経済の失速は、日本にとっても無視できない問題だ。
日本企業にとって中国は巨大な市場であり、多くの工場が進出している。中国の消費が冷え込めば日本の輸出も停滞し、日本国内の景気にも悪影響が及ぶことは避けられない。公式発表の数字の裏にある現実に目を向け、隣国の経済動向を冷静に見極める必要がある。
【編集:af】
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