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象徴的な事案となっているのが、2025年の大阪・関西万博で使用されたEVバスのその後である。当初の計画では、万博の会場輸送を担った後に各地の路線バスとして再利用されるはずだったが、その転用が大幅に遅れている。その大きな要因として浮上しているのが、日本の厳しい安全基準や複雑な道路環境に、中国製品が十分に適応できていないという課題だ。
過去には、中国製のEVバスに、日本国内で原則として使用が禁止されている有害物質の六価クロムが使われていたことが発覚し、多くの自治体が運行を一時停止する大騒動に発展した。また、日本の厳しい猛暑や、冬場の零下になる寒冷地におけるバッテリーの耐久性についても疑問符がついている。特に坂道の多い地域では、パワー不足やブレーキの効きに違和感を覚えるという運転手の指摘もあり、安全性に対する信頼が揺らいでいる。
日本のメーカーが長い年月をかけて安全性を検証し、慎重に開発を進める中で、中国メーカーは国家的な補助金を背景とした圧倒的なスピード感と低価格で市場を席巻した。しかし、バスは一度に数十人の市民を乗せて公道を走る公共インフラである。たった一度の火災や故障による事故が、取り返しのつかない惨事を招く可能性がある。大阪万博での転用遅れは、単なる手続き上の不手際ではなく、中国製の発展途上にある製品が持つ未知のリスクを、日本社会がどう受け止めるべきかという重い問いを投げかけている。
中国の製造業は、スマートフォンなどの電子機器では世界トップクラスのシェアを誇るが、人命を預かる車両や大型の機械設備においては、まだ信頼の積み上げが足りない。生活を支える基盤として、安さや流行を優先するのか、それとも長年の実績に基づいた徹底的な安全性を取るのか。中国製EVバスを巡る混乱は、私たちが社会の持続可能性と安全性を両立させるために、何を最も大切にすべきかを改めて突きつけている。見かけの華やかさに惑わされず、中身の確かな品質を追求する姿勢が、今こそ求められている。
【編集:af】








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