2026年3月30日・フィリピン政府は、深刻化するエネルギー不足への対応として、日本で精製した軽油142000バレルを緊急調達したと発表した。現地メディアによると政府の働きかけで確保した第1弾の経由は26日、ルソン島バターン州のリマイ港に到着した。
今回の調達はマルコス大統領が24日に国家エネルギー非常事態を宣言して以来、初めての具体的な成果となる。フィリピンは原油輸入の約90パーセント以上を中東地域に依存しており、地政学リスクに伴う供給途絶への懸念から、調達先の多角化を急いでいる。

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 エネルギー省によると、今回の軽油は日本の製油所で精製されたもので、シンガポールの石油トレーディング会社を経由して供給された。アジアの石油市場ではシンガポールが最大の取引拠点として機能しており、各国で精製された燃料が一度集約され、需要に応じて再出荷される構造が一般的だ。今回の取引も既存の流通網を活用したもので、日本で精製された高品質な燃料を迅速に手配した形だ。シンガポールの商社が中継点となることで、決済や輸送の効率を高める狙いもある。

 フィリピン政府は日本以外にもマレーシアやインド、オマーンなどからの調達にめどを付けている。4月末までに計約100万バレルの燃料が順次届く計画で、エネルギー供給の安定化を図る。背景には世界的な価格高騰による国内のインフレ圧力がある。輸送コストの上昇が物価全体を押し上げており、政権にとっては供給不安の解消が最優先課題だ。今後は備蓄体制の拡充とともに、長期的なエネルギー構成の見直しを加速させる。
【編集:Eula】
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