パワースポットがネット社会において大きな注目を集めている。例えば、参拝の証である「御朱印」集め。
本来は本人が足を運んでこそご利益があるものだが、「コンプリートさえしていればいい」とばかりにフリマサイトで購入し、それでパワーが得られると誤解する者もいる。主に対象となるのは神社仏閣だが、では、そこに携わる人々に「生老病死」の苦しみがないのかといえば、当然ながら存在する。パワースポットというものは、ある種の思い込みや自己暗示に近いものなのだろう。

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 韓国でもやはりパワースポットが流行しており、山がその対象となっている。しかし、信仰の対象であるはずの山々で、相次いで落書きの被害が確認されている。登山客は韓国人だけではないため犯人の国籍は不明だが、その中には「お前たちに与える運(パワー)はない!」という酷い落書きもあった。

 その山は、最近テレビで人気占い師が薦めた場所だという。「オールドメディア」と呼ばれて久しいが、テレビの影響力は依然として強力だ。時間と体力、そしてノリさえあれば、就職運や学業運、恋愛運を求めて10代から30代の若者たちが一斉に飛びつく。

 しかし、静かに山登りを楽しみ、空気や風、湧き水や木の葉といった「非人工物」に触れ、景色を堪能する。その過程で自分の中に変化が生まれることこそが、山が与えてくれる真の「力」ではないだろうか。

 パワースポットなどという軽い言葉で、安易に得られるものではないはずだ。
落書きの言葉ではないが、覚悟なき者に与えられる運などない。

 国家はパワースポットを観光資源と捉え、不届き者を摘発する方針のようだが……結局のところ、運とは自らの手で切り拓いていくものではないだろうか。
【編集:fa】
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