韓国で改正ストーカー処罰法が可決された。これにより、被害者自らが裁判所に赴いて訴えることができるようになった。
もちろん、弁護士などの法定代理人がこれを行うことも可能だ。

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 どこの国でも、ストーカー事案は「民事」や「当事者間の問題」とみなされがちで、警察に訴えても必ずしも親身に対応してもらえるわけではないのが実情だ。訴えはしたものの、よりが戻って取り下げられたり、警告程度で相手がおとなしくなったりすることもある。警察が「重要案件」と判断した人物以外には、見守りをつけるまでの対応はしてくれないという現実もある。

 今回の改正では、被害者や法定代理人が捜査機関に対して保護措置を求め、捜査機関が迅速に動いてくれない場合や、事実そのものを認めない場合、通知から90日以内であれば裁判所に「被害者保護命令」を直接申請できるようになった。

 裁判所が認めた場合、電話やSNSを用いた接触の禁止や、被害者本人から100メートル以内への接近禁止などが判決の一つとして定義される。これに違反すれば、220万円以下の罰金や2年以下の懲役が科される。

 裁判所というと、決定権はあるものの、現場で守ってくれる警察に比べると「お役所仕事」のイメージが強いかもしれない。しかし、被害者の補助人を選定できる仕組みや専門の調査官を置くなど、警察とは異なるアプローチが期待されている。警察の場合、組織の意向や状況によって訴えが認められないこともあるが、裁判所への直接提訴は、被害者本人の声をそのまま拾い上げるものとなる。

 しかし課題もある。加害者の追及や拘束など、警察にできることが裁判所にはできない。
そのため、罰則があっても実効性が伴わなければ、加害者を野放しにしてしまう懸念がある。また、一時的な感情の高ぶりや、いわゆる「痴話喧嘩」の延長で申告が行われる可能性についても、慎重な見極めが必要になるだろう。

 先日も日本で、被害者と加害者の双方が命を落とすストーカー事件が起きたばかりだ。恋をしても、相手と自分は別人格である。それにもかかわらず、自分のものにしたいがために犯行に及ぶ。

 かつては「嫌よ嫌よも好きのうち」などという言葉で片付けられていたストーカー問題は、もはやそんな長閑(のどか)なものではなくなったのだ。
【編集:fa】
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