【その他の写真:アウンサン将軍を主人公にした映画の制作発表式典(ヤンゴン、撮影:北角裕樹)】
主人公のアウンサン将軍は、日本軍の諜報部隊「南機関」の鈴木敬司大佐らの支援でビルマ独立義勇軍を組織し英国と戦い、日本占領下のビルマ国では国防相に就任。しかし日本の敗戦が濃厚になると反旗を翻し日本軍と戦った経緯がある。ルミン監督はこの日の記者会見で「一途に独立を目指したアウンサンと鈴木大佐は固い絆で結ばれていた」と語り、2人の関係がストーリーの重要部分として描かれる模様だ。鈴木大佐は日本から招聘する俳優が演じるほか、ヤンゴン在住日本人を対象にオーディションを開催して10人以上が日本の将校などとして出演する見通し。
ヤンゴン郊外に自動車工場を持つスズキは大口スポンサーとして支援。名前が同じで、同社の本社がある浜松にゆかりのある鈴木大佐が登場することから広告効果が見込めると判断したもようだ。スズキ幹部は「純粋にいい映画になってほしいという思いで支援した」と話している。
アウンサン将軍は、軍政時代には民主活動家だったアウンサンスーチー氏を連想させるものとしてタブー視されてきた経緯がある。同将軍をテーマにした映画を制作する動きは、旧政権時代から浮上してはとん挫するということを繰り返してきた。アウンサンスーチー国家顧問が実質的に率いる国民民主連盟(NLD)政権になり、やっと実現することになる。
ミャンマーでは、2020年には総選挙が予定されており、NLD政権は、アウンサンスーチー国家顧問の父の活躍を大型映画で打ち出すことで支持拡大を狙っているとされる。
【取材・執筆:北角裕樹】








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