ご存じない方に説明しますと、ゲーム&ウオッチ(一般にはゲームウオッチと、&は省いて呼ばれています)とは任天堂が1980年より発売した時計付き携帯型ゲーム機で、60タイトルほどが発売されました。現代のゲーム機のようにゲームソフトを入れ替えることはできず、1体のゲーム機でできるゲームは1種類のみ(ゲームウオッチを知らない世代には、それが驚きだとか)。
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タイトルは「MICKEY MOUSE」。電池を入れれば、なおも現役です。ゲームの内容は、ニワトリが産んだタマゴが坂を転がってくるので、それをミッキーマウスに拾わせるという単調なものです。GAME AとGAME Bのボタンがありますが、GAME Aは3ヵ所からGAME Aは4ヵ所からタマゴが落ちてくるという違いだけのようです。背景にカラーが使われていますが、動く液晶部分は黒一色です。
実際にオフィスでプレイしてみると、ピコピコと懐かしの電子音が広がります。ちょっと周囲に迷惑かなと思うも、ボリュームコントロールはないし、イヤホン端子もない、ポーズ(一時停止)もできなかったんですね(TIMEというボタンがありますが、ゲームをプレイしていない時にアラーム設定時刻を表示するためのものです)。わざと失敗して、ゲームを終えるしかなく……電池を抜くという手もあったか!
箱には16枚折りになった説明書兼保証書も入っていました。保証書の「お買上年月日」を見てみると……56年11月30日。
興奮冷めやらず、ゲームウオッチについてあれこれ調べていると……、
なんと、ゲーム&ウオッチの第一作である「BALL」(1980年4月28日発売)の復刻版が出ていたのですね(写真はAmazon。画像をクリックすると商品ページへ飛びます)。
任天堂ホームページ内「社長が訊く『ゲーム&ウオッチ』」(先日亡くなった任天堂の元社長・岩田聡氏が開発者たちにインタビューした記事)によると、2009年に任天堂の会員制ポイントサービスである「クラブニンテンドー」のプラチナ会員向けに限定プレゼントしたものだそうです(とはいえ、一部は中古市場に流れ、現在でも手に入るようですので、興味のある方は商品ページをチェックしてみてください)。
他にも、今も手に入る昭和のゲーム・おもちゃはないものだろうか……ということで、今回はそんなアイテムをAmazonで探してみました。
※商品画像をクリックすると、Amazonの販売ページへ移動します。
■ポカポンゲームとドンケツゲーム
まずは、いずれもエポック社が1979年(昭和54年)に発売開始したポカポンゲームとドンケツゲーム。
ポカポンゲームは、ピコピコハンマーで男女が叩き合うゲームで、うまく相手にヒットすると首がもげるような仕組みになっています。ボタンを押すとハンマーを振り下ろせるのですが、同時に左手で構えている盾も下がってしまい無防備になるので、やみくもに叩くのではなく、相手の出方をよくうかがう必要がありました。
ドンケツゲームは、おしくらまんじゅうゲームです。負けると前につんのめってしまうという仕掛けも楽しいんですよね。
■野球盤K
こちらもエポック社が販売する野球盤。昭和育ち男子なら、きっと一度は触れたことがあったのではないでしょうか。このような形状の野球盤は、同社が1958年(昭和33年)に発売した初代野球盤が原点だといわれ、刻々と進化しながら今に至っているようです。
現代版はどのように進化しているかというと、ボールに緩急が付けられるようになっていて、チェンジアップや緩いカーブ、スライダーなどが投げ分け可能なのだそうです。また昭和時代の野球盤には、右打席しか存在しなかったのが、この商品では左右両打席が使用可能になっているのだとか。個人的には反則だと信じている消える魔球(ホームベース手前に開閉操作ができる穴があり、そこにボールを落とす)は、いまだ健在なようです。
■ミッキーマウス チクタクタウン
こちらは1984年(昭和59年)に野村トーイ(1992年にハズブロという米国の会社が買収、1998年に解散)が発売した「チクタクバンバン」の後継機的存在で、ハナヤマが販売。縦横4枚ずつの枠に15枚(1枚分空いている)入っている線路パネルを組み替え、線路上を動く人形が空き枠に落ちたり線路が行き止まりにならないよう、線路を繋いでいくゲームです。オリジナル商品の人形は、目覚まし時計を擬人化したようなデザインでしたが、この商品ではミッキーマウスが担っています。
著者の思い出としては、なんといっても目覚まし時計のキャラクターの印象が強かったので、キャラクターが替わってしまい残念です。そのキャラクター画像はこちらで参照できます。
■タイムクラッシュ
もともとは「パーフェクション」という名前で、1971年(昭和46年)にエポック社が発売した商品で、現在はカワダが「タイムクラッシュ」という名前で出しています。
遊び方は、真ん中にある黄色いタイマー(最大60秒)を回し、0秒になるまでに26個あるピースを形に合った穴に埋めていくというもので、時間内に終わらないとピースがクラッシュ(飛び出す)してしまいます(時間内に終わったら自分でストップスイッチを動かす)。時間がくるとクラッシュしてしまうという圧迫感の中、ハラハラしながら楽しめるというのが人気の秘訣なのでしょう。
中古での販売ですが、以前のバージョンも購入することができるようです。
■ゲームロボット50
タカトクトイス(1984年に解散)という会社が1982年(昭和57年)に発売した「ゲームロボット九」と「ゲームロボット5」というゲームの進化版。タカトクトイスの解散後は、ハナヤマが権利を引き継ぎ販売しています。最後に付く数字「九」「5」「50」は、いずれも遊べるゲームの数を表しています。
10色あるボタンには、それぞれ0から9までの数字が割り当てられていて、ボタンを押すと異なる音が鳴ります(「ゲームロボット九」と「ゲームロボット5」は、1から9までの9色のボタンでした)。ボタンは個別に光ることもでき、光るボタンを追い掛ける「モグラタタキ」や、音や光でボタンを覚える「神経衰弱」など、記憶力や音感が鍛えられるゲームが満載されています。
著者は友人だか親戚の家で遊んだ記憶があるのですが、所有してなかったので深い記憶はなく……。機能の詳細を知りたい方はハナヤマのホームページを参照ください。
いかがでしたか、昔遊んだことがあるおもちゃはありましたか? もしくは初めて見るものばかりだったでしょうか。
(服部淳@編集ライター、脚本家)