不安定な恋、苦しい恋はカラダを老化させる
「恋をするとキレイになる」とはよく言われることです。でも、どんな恋でもキレイになるわけではありません。
相手のことを考えると胸が苦しくなり、ドキドキして食べ物ものどを通らない状態は誰でも経験があることでしょう。これはフェニルエチルアミン(PEA)という物質の働きです。
ドキドキ感は恋の始まりに欠かせないので、PEAは必要といえますが、PEAには交感神経を刺激する働きがあります。交感神経を刺激するために血流が悪くなり、活性酸素も増えるため、アンチエイジングにはなりません。
さらに、相手との関係が悪い場合や想いが通じず苦しい場合は、ストレスがかかって交感神経が活発になり、ますますカラダは老化します。副腎皮質が刺激されるので、食欲が増して過食につながりがち。その状態が長引いて副腎疲労の状態になると、慢性的な疲れやダルさ、顔色のくすみなどにつながり、どんよりとした不幸オーラを漂わせてしまうことになりかねません。つまり、不安定な恋や、刺激ばかりを求める恋をいくら重ねても、早く老けるだけでキレイにはなれないのです。
恋が愛に変わると、キレイになるホルモンが分泌される
では恋愛でキレイになるにはどうしたらよいのでしょうか。
PEAは恋が始まって2~3年で分泌が低下します。
刺激を求めるタイプは、ここで次の恋を求めてしまうかも知れませんが、ちょっと待って。
それは、アンチエイジングのチャンスを逃す「老け恋愛」パターンかも知れません。
このタイミングで恋が愛に変わると、PEAと反比例して増えていくのが、女性をキレイにするホルモンであるβエンドルフィンやオキシトシンです。
相手と触れ合うことで、包まれるようなうっとりした幸福感を得るとき、家で大好きな相手と過ごしてほんわかした安心感を覚えるとき、そんなときに分泌されているのがβエンドルフィンです。
βエンドルフィンは「ナチュラルキラー細胞」という免疫細胞を活性化し、細胞老化を防いでくれます。
また、相手との信頼関係が築かれ、親密度が増すことで分泌されるのはオキシトシンです。オキシトシンは出産や授乳中にも大量に分泌されるホルモンで、愛情と思いやりのホルモンとも呼ばれます。愛のあるセックスをすると脳内でオキシトシンが大量に分泌され、パートナーとの愛情がより高まり、心が安定するようになります。
オキシトシンはストレスをやわらげ、疲労回復効果やアンチエイジング作用があるといわれています。オキシトシンの分泌にはふれあいが大切なので、普段からハグやキスをしたりしているカップルの方が、分泌は高くなります。
結論としては、恋よりも愛の方が女性をキレイにするということ。
【参考】
『「美女のステージ」に立ち続けたければ、その思い込みを捨てなさい』(光文社)