美しい風景を見かけたら、誰しも記念に写真を撮りたくなるもの。

わざわざ足を運んだ観光地だとしたら、なおさらカメラに収めたくなることでしょう。

しかし、その行動が他人に迷惑をかけることもあるかもしれません。

『ローソン』前の歩道に巨大な黒い幕が…

2024年5月下旬、山梨県南都留郡富士河口湖町のコンビニエンスストア『ローソン河口湖駅前店』が行った『ある対策』が話題になっています。

同月21日、『ローソン河口湖駅前店』の道路を挟んだ歩道に巨大な『黒い幕』が設置されました。

富士山が見えるローソンが設置した『あるもの』 SNS上で「当然」「感じが悪い」
ローソン黒い幕の画像

理由は、オーバーツーリズムです。オーバーツーリズムは『観光公害』ともいわれ、特定の観光地にキャパシティを超える訪問客が押し寄せることで、地元住民の生活や自然環境にさまざまな問題が起こることをいいます。

同店舗は約2年前、SNSで富士山とローソンが一緒に写る『映えスポット』として話題に。以降、観光客が多く訪れていました。

しかし、同店舗は富士山が見えるというだけで、普段は地元住民が利用している場所。そこに、多くの観光客が訪れたことでゴミのポイ捨てや駐車場への無断駐車などのマナー違反が相次いだそうです。

約2年間、富士河口湖町では、4か国語の注意看板の設置や警備員の配置などの対策を講じましたが、マナー違反は続き、近隣住民からの苦情も寄せられていたといいます。

マナー違反にとどまらず、撮影スポットの歩道側へ渡るために同店舗から道路を横断する人も多く、交通事故の危険性もかなり高まっている状態に。

これらの問題を踏まえ、富士山が見えないように巨大な『黒い幕』を設置することに至りました。

『黒い幕』へのさまざまな意見

この対策には、ネット上でもさまざまな意見が寄せられています。

好意的なコメントでは、以下のようなものがありました。

・当然だと思う。もともと観光地ではないわけだし、危険から身を守るためにもいい対策。

・「おもてなし精神は?」っていう人がいるけど、マナー違反をする人を受け入れるのは違うと思う。

・ここに行ったことがあるけど、高速バスとかも通るし本当に危ないよ。

一方で、こういった否定的な意見もあがっています。

・せっかく来てくれた人に対して、『黒い幕』は感じが悪すぎる。

・もっとほかのいい解決方法はなかったのか。手っ取り早く追い出そうとしているように思える。

・結局、別の場所に人が集まって、いたちごっこになるだけ。

確かに、『黒い幕』が設置されている風景は異様で、インパクトがあります。ただ、スマホのカメラレンズを近付けた際に透けない色を検討した結果、黒色になったとのこと。

わざわざ遠方から来たり、来日したりして幕の存在を知った人は残念に思うでしょう。しかし、同じように来た先人の観光客の行動によって生まれてしまった幕でもあります。

観光地にもよりますが、まず第一にそこに住んで生活している人がいることを忘れてはいけません。

観光気分だからといって、マナー違反や危険行為は許されないもの。

同店舗のような対策をしなければいけない事例を増やさないためにも、一人ひとりがオーバーツーリズムへの意識を高めることが必要でしょう。

私たちも観光地を訪れた際は、周りが見えなくなった行動をしていないかと注意を払うことが大切ですね。

[文・構成/grape編集部]

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