あなたは、米を購入してからどのくらいの期間で使い切るようにしていますか。
一般的に米には、賞味期限と消費期限の表示がないため、「いつまでに使い切ればいいのか分からない」という人もいるでしょう。
そのため、つい長く保管しすぎて古くなってしまうこともあるかもしれません。
古くなった米はどのように炊けば、おいしく食べられるのでしょうか。タイガー魔法瓶株式会社(以下、タイガー魔法瓶)協力のもと紹介します。
米に賞味期限と消費期限がない理由
前述の通り、米には賞味期限と消費期限の表示がありません。
では、何を参考に食べきるまでの目安を把握するといいのでしょうか。お米のプロである『認定5ツ星お米マイスター』によると…。
米は野菜や果物と同じ生鮮食品として扱われます。
食品表示法では、生鮮食品は一部を除き『賞味期限・消費期限の表示義務なし』と規定しています。
ただし、米の場合は精米した日である『精米年月日』は記載されており、白米となってからの時間経過が分かるようになっています。
米には賞味期限と消費期限の表示がないため、精米年月日を目安に、おいしく食べられる期間を把握しておくといいでしょう。
ちなみに、賞味期限は袋や容器を開封しておらず、正しく保存したうえでの『おいしく食べられる期限』。期限を多少過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
一方、消費期限は袋や容器を開封しておらず、正しく保存したうえでの『安全に食べられる期限』。
米をおいしく食べられる目安とは?
では、米をおいしく食べられる目安は、精米してからどのくらいの期間なのでしょうか。
生鮮食品である以上、米は野菜などのように時間の経過とともに劣化します。白米の酸化は精米直後から進行し、長期間置いておくとカビや虫の発生リスクが高まります。
精米後は早めに食べることが最善です。おいしく食べられる目安として、春夏は精米後2週間~1か月、秋冬にかけては1~2か月程度になります。
上記は、あくまで最適な室温や湿度で保管した場合です。米の保管に適さない高温多湿や乾燥した場所に置いている場合は、この限りではありません。

※写真はイメージ
古い米をおいしく食べる工夫
おいしく食べられる期間を過ぎてしまった米は、水分を失い、周囲のにおいを吸収している状態です。
臭いや見た目に異常がなければ、精米年月日を過ぎても食べられなくなるわけではないですが、おいしく食べるには工夫が必要だといいます。
古いお米は、しっかりと手のひらを使い、お米同士をすり合わせるように研ぎ、古いお米特有のにおいを消します。
ただし、力任せにすると、お米が傷付く原因となるので、お米同士を揉み合うように意識しましょう。炊く際、水は1割程度多めを心がけてください。
これは、時間の経過とともにお米から水分が失われていくためで、炊きあがりのパサ付きを抑えるのが目的です。
続けて、このようなひと工夫もおすすめだといいます。
小さじ半分のサラダ油を加えればツヤ出し、お酒大さじ1~2杯で、におい消しとツヤ出しの効果が期待できます。
そのほか、ハチミツを加えたり、もち米をブレンドしたりと、新米の味わいに近付けるテクニックも存在します。
いろいろ試してみて、自身の好みの味わいを見つけるのも楽しいですよ。
米には賞味期限・消費期限の表示がないため、精米年月日を参考にしましょう。ただし、米にカビが生えていたり、虫食いがあったりした場合は食べないでください。
保管した米が古くなってしまったら、本記事で紹介した方法を参考に、炊飯時にひと手間加えてみましょう。
[文/大西トタン@dcp・構成/grape編集部]