レストランによっては、目の前で料理にコショウを挽いてくれるサービスがあります。

粒状態のコショウをその場で挽くことには、どのような意味があるのでしょうか。

『テーブルコショー』でおなじみのエスビー食品株式会社(以下、エスビー食品)に取材しました。

コショウ本来の香りが十分に楽しめる!

「挽きたてのコショウを使うメリット」について聞くと、エスビー食品から以下の回答がありました。

※以下はすべて、加工食品としてのコショウについての回答。

スパイスやハーブに含まれる香りの正体は、精油(エッセンシャルオイル)といわれる揮発性の成分です。

この精油成分は、植物中の組織や細胞に蓄えられており、それが破壊されると鮮烈な芳香を発生させます。

揮発するとともにその香りで私たちを楽しませてくれますが、同時に徐々に香りが飛んで失われていっているともいえます。

使う直前に『ホール』という粒の状態から挽いた『挽きたてのコショウ』は、コショウ本来の香りを十分に楽しめることが最大のメリットです。

食べる直前にコショウのホールをつぶして挽くことで、コショウ本来の香りを楽しめるというわけです。

コショウはどう使い分ける エスビー食品の『おすすめ』で、料理がもっとおいしくなる!
コショウの写真

※写真はイメージ

料理によってコショウの挽き方を変える!

エスビー食品によれば、コショウをどのように挽くかで、香りの強さや食感を変えることができるそうです。

粒のコショウ(ホール)を挽いて使う場合、ミルの種類などによって、挽いた粒の大きさを指す『粒度』を調整できます。

合わせる料理やお好みによって、さまざまな香り立ちの強さや食感を楽しむことができます。

例えば、以下のようにミルを変えるといいとのこと。

・素材に均一にまぶす時、瞬時に香りや辛みを楽しみたい時:細挽きのミルでパウダー状に。

・コショウの辛みや香り、食感をアクセントとしたい時:粗挽きのミルでザラリとした粒度に。

・煮込み料理やピクルスなどでゆっくりと香りづけをする時:コショウの粒(ホール)のままで使うのもOK。

また、ホールとパウダーのコショウの違いについても聞きました。

ブラックペッパーやホワイトペッパーなどホールのコショウは、パウダー品や粗挽き品よりも香りが揮発しにくく、当社製品においては、ホール品のほうが、賞味期限が長く設計されています。

よい香りを長く楽しめるというのも、ホールのコショウのメリットの1つといえるでしょう。

最後に、挽きたてのコショウの魅力をこのように語ってもらいました。

挽きたてのコショウの魅力は、なんといってもその香り立ちのよさです。ミルがなくても、ビンの底などでつぶして野性味ある風味を楽しむのもおすすめです。

レストランで『目の前でコショウを挽く』というサービスを受ける機会があったら、『挽きたての新鮮な香り』を楽しんでみてくださいね!

[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]

取材協力エスビー食品株式会社
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