カップ麺を作る時に入れるスープには、さまざまな種類がありますよね。
大きく分けると、お湯を入れる前に加える『前入れタイプ』と、食べる前に入れる『後入れタイプ』の2種類です。
この『前入れタイプ』と『後入れタイプ』は何が違うのでしょうか。また、粉末タイプと液体タイプの違いも気になるところ。
『マルちゃん』ブランドを展開する、東洋水産株式会社に聞いてみました。
スープの『前入れ』『後入れ』の違い
――まず初めに、カップ麺のスープの粉末タイプと液体タイプの違いを教えてください。
スープを入れるタイミングによって、麺や具材(かやく)の戻り具合、味や風味などが変わるので、メーカーではみなさんにおいしく食べていただけるよう、スープを入れるタイミングを工夫しています。
そのため、スープを『粉末スープ』と『液体スープ』の2種類に分け、それぞれ適したタイミングで入れるようにしています。
――粉末スープの『前入れ』『後入れ』の違いはなんですか?
まず粉末スープですが、『前入れ』することで、麺にスープの味がなじみやすいというメリットがあります。
弊社の主力商品ですと『赤いきつねうどん』『緑のたぬき天そば』などの油揚げ麺の和風麺がこの入れ方です。
『後入れ』は、スパイスの香りをより活かせるといったメリットがあります。
弊社の主力商品ですと、ノンフライ麺の『麺づくり 合わせ味噌』や『麺づくり 担担麺』がこの入れ方になっております。
ちなみにノンフライ麺では、油揚げ麺と比べて麺の構造が緻密なため、『前入れ』すると麺に硬さが残ってしまう可能性があることから『後入れ』が多いです。
――液体スープの『前入れ』『後入れ』の違いはなんですか?
液体スープは、粉末スープでは表現が難しい旨みや風味を出せる油分が入っているものが多いです。
『前入れ』すると、麺や具材の戻りが悪くなるため、液体スープは基本的には『後入れ』になります。
また、『前入れ』すると、液体スープによりお湯の温度が下がるといったデメリットもあるのです。
ちなみに、お湯を入れた後、でき上がるまで待っている間に、液体スープを蓋の上で温めるとよりおいしく召し上がれます。

※写真はイメージ
――規定外の作り方をした場合、どのような影響がありますか?
本来の味や風味が損なわれる可能性もあります。
また、麺や具材の戻りが悪くなり、硬さが残ってしまう可能性があります。
カップ麺の粉末スープと液体スープは、おいしく食べてもらうため、最適なタイミングで入れるように設計されているとのこと。
せっかくの味をより楽しむためにも、メーカーが推奨するタイミングでスープを入れるようにしましょう。
[文/大西トタン@dcp・構成/grape編集部]
取材協力東洋水産株式会社