以前grapeでは『ハサミはアルミホイルを数回切ることで、付着した汚れが取れて切れやすくなる』という現象を紹介しました。
では、アルミホイルを使って、ナイフを研ぐことはできるのでしょうか。
『サンホイル』でおなじみの、東洋アルミエコープロダクツ株式会社(以下、東洋アルミエコープロダクツ)に聞きました。
アルミホイルでナイフを研げるか?
ナイフをアルミホイルで研げるのか、東洋アルミエコープロダクツに聞いたところ、以下の回答がありました。
あいにく、これまでの検証では、刃物を研げるという結果を得られませんでした。
顕微鏡での検証で、砥ぐ効果や劣化部を埋めるといった効果は確認できておりません。
しかし、付着したものをそぎ落とすという意味では、アルミホイルを有効にご使用いただけます。
以前ご紹介した通り、例えばハサミは粘着物が付くことがあるため、アルミホイルをハサミで切ることでそれらをそぎ落とし、切れ味がよくなることがあります。
行う際は刃物の取り扱いには十分ご注意ください。
研ぐことはできませんが、ハサミと同様に汚れを落とす効果はありそうですね。

画像提供:東洋アルミエコープロダクツ株式会社
『研げない』というのには、物理的な理由があります。例えば、物質の硬さの指標である『モース硬度』を見ると、以下のようになっています。
アルミニウム:2.5~3
ステンレス刃物:5~6
砥石やセラミックシャープナー:7~9
研ぐことを『刃の角度を鋭利に再形成する』という意味だとするなら、アルミニウムはステンレスや鋼の刃を削るには、硬さが足りないのです。
ただし、アルミホイルは非常に柔らかく、微細な粒子を含む素材なので、刃物のエッジに付着した細かいゴミやサビなどを『こそげ落とす』ことはできます。
研ぐ効果はないものの、汚れを取って切れ味を回復させることは期待できるので、一度チャレンジしてみてください。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]
取材協力東洋アルミエコープロダクツ株式会社