購入して食べきれなかった食材などは、冷凍保存したいという人は多いでしょう。

ただし、食材の中には冷凍保存に向いているものと、そうでないものがあります。

では、ジャガイモは冷凍保存できるのでしょうか。

ジャガイモの名産地として有名な北海道にある、地方独立行政法人北海道立総合研究機構『食品加工研究センター』(以下、『食品加工研究センター』)に取材しました。

ジャガイモの冷凍保存

ジャガイモの冷凍保存について『食品加工研究センター』に聞いたところ、以下の回答がありました。

生のまま凍らせると細胞が破壊され、解凍後に水っぽくなったり、食感や風味が著しく損なわれたりする恐れがあります。

生のままのジャガイモを凍らせて保存すると、元のようには解凍できないとのこと。

ただし、冷凍保存できないわけではありません。『食品加工研究センター』からは、このようなアドバイスがありました。

解凍後もなるべくおいしさを保つために、下処理をしっかりおこなってから冷凍するのがおすすめです。

以下の1~5が、ジャガイモを冷凍保存する前の手順です。

1.カットして水にさらす

まず、皮を剥いたジャガイモを食べやすい大きさにカットしましょう。カット後、軽く水にさらすことで、変色や過度な粘りの発生を防げます。

2 .加熱処理(湯通し)

次に沸騰したお湯で2~5分程度、固めに加熱してください。これにより、酵素の働きを停止させ、色や食感の劣化を防止します。

3.急冷する

加熱後はすぐに冷水にさらし、粗熱を取りましょう。急冷することで、火の通りすぎを防ぎ、適度な食感を保持できます。

4.水分を拭き取る

粗熱が取れたら、キッチンペーパーなどでジャガイモの表面の水分をしっかりと拭き取ります。

余分な水分が残っていると、凍結時に大きな氷の結晶が形成され、組織が破壊されやすくなるためです。

5.包装して冷凍する

冷凍用保存袋や密閉容器に入れて、できるだけ空気を抜いて包みましょう。

これにより冷凍焼けを防ぎ、風味や食感の劣化を抑えることができます。

「実は冷凍できる」 専門家に聞いた!ジャガイモの保存方法
ジャガイモの写真

※写真はイメージ

続けて、『食品加工研究センター』から以下のアドバイスがありました。

冷凍保存の期間の目安は約1か月。調理する時は、解凍せずにそのまま使うと、食感の変化が気になりにくいのでおすすめです。

また、保存状態が悪いと劣化が早まります。異臭など傷みの兆候があれば食べないでください。

ちなみに、コロッケなどで使用する場合は、マッシュポテトに加工してから冷凍する方法もあります。

この場合は、完全に火を通し、温かいうちにジャガイモを潰します。潰して粗熱を取ってから冷凍すると、食感の変化が目立ちにくくなります。

ジャガイモは冷凍保存できますが、生のままでは不向きな食材です。

『食品加工研究センター』からのアドバイスを参考に、下処理をしっかりおこなってから冷凍保存しましょう。

[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]

取材協力地方独立行政法人北海道立総合研究機構『食品加工研究センター』
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