日本ならではの床材である畳。
畳には調湿や断熱効果が期待できるというメリットがある一方、非常にデリケートで、室内の環境によってはカビが生えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
健栄製薬株式会社(以下、健栄製薬)のウェブサイトから、畳にカビが生えてしまう原因と予防方法を紹介します。
原因を学び、カビが発生しないような環境づくりを意識してみましょう。
畳にカビが生えてしまう原因とは
健栄製薬によると、『湿度、温度、ホコリや汚れの蓄積』などによって、畳にカビが生えてしまうのだそうです。
温度20~30度、湿度75%以上の環境はカビが生えやすい傾向にあります。カビの発生を防ぎたい場合は、まず室内環境を確認してみましょう。
また、ホコリや汚れはカビの養分となるため、カビの発生や繁殖の要因となります。快適に畳を使うためにも、日頃から清潔に保つようにしましょう。
健栄製薬 ーより引用
畳には、湿気を吸って部屋を調湿する機能がありますが、特に湿度が高い梅雨の時期はカビ対策が欠かせません。
カビを予防する方法

※写真はイメージ
畳のカビ防止には、湿度を下げるのが効果的です。風通しをよくし、こまめな『換気』を心がけて、室内の湿度が75%以上にならないようにしましょう。扇風機や除湿器、エアコンを使用するのも有効です。
また、布団を敷きっぱなしにしてしまうと湿気がこもってしまいます。こまめに干し、使わない時は畳んでおきましょう。
ホコリや汚れはカビの養分となってしまうため、定期的に掃除することも大切です。
カビの掃除方法
畳に生えるカビは、主に『青カビ』『白カビ』『黒カビ』の3種類です。カビが生えてしまった場合は、カビの種類に合わせた掃除をおこないます。
掃除の際は部屋を換気するとともに、カビの吸い込みや付着を防ぐために、マスクと手袋を着用してください。
どのカビの場合も、まずは掃除機やほうきでホコリを取り除いてから、作業を始めましょう。
青カビや白カビの掃除方法
青カビや白カビは、比較的軽度なカビです。アルコール濃度の高い『無水エタノール』を使って掃除します。
揮発性が高い無水エタノールは、畳に水分が残るのを防げるのだそう。無水エタノールをカビに吹きかけて時間をおき、再度無水エタノールを吹きかけたら、乾いた雑巾で拭き取ります。
汚れが残っている場合は、無水エタノールを吹きかけて拭き取る作業を繰り返しましょう。
黒カビの掃除方法
頑固な黒カビは、掃除しても落ちにくいもの。無水エタノールに加えて、重曹も使って掃除します。
まず、カビに重曹を粉のままふりかけて、その上から無水エタノールを吹きかけます。歯ブラシを使って、溝に入り込んだ黒カビを掻き出していきましょう。
再度無水エタノールを吹きかけた後、乾いた雑巾で拭き取り、最後にしっかりと畳を乾かしてください。
なお畳の状態によっては、無水エタノールや重曹を使えない場合もあります。畳の製品ページや取り扱い説明書を確認してから、掃除をおこなうようにしてください。
軽いカビを取り除けても、放置するとカビが増殖し、取り除きにくくなってしまいます。まずは、カビが生えないよう、しっかりと予防することが大切です。
湿度が高くなる時期は特に換気や掃除を意識的におこない、畳ならではの心地よい空間を保ちましょう。
[文・構成/grape編集部]