家庭で発生する水回りのトラブルの1つにとして、排水口が詰まることが挙げられます。
水が流れないと生活に大きな影響があるため、慌ててしまいますよね。
排水口の詰まりが発生したら、自分で対処することは可能なのでしょうか。
排水トラブル解消に特化した水道工事店、株式会社HLS(以下、HLS)に取材しました。
排水口の詰まりが発生する場所
HLSによると、家庭で排水口の詰まりが起こるのは、キッチン、お風呂場、洗面台、洗濯機置き場の4か所とのこと。
トイレでも詰まりは発生しますが、これは便器という独立した排水設備のため、排水口には含めないそうです。
排水口が詰まると、以下のような症状が見られるそうです。
1.排水口から水が抜けるのが遅い。
2.排水口に水が逆流してくる。
3.排水口の水がまったく流れない。
4.キッチンの場合、床に水漏れする。
『3』『4』になると重症で緊急性が高い詰まり。早く対処しないと毎日の生活に悪影響を及ぼします。
例えばキッチンの場合、調理ができない、ご飯を作れないといった状況になります。
排水口の詰まりの対処法
キッチンの排水口の詰まりを例に、HLSによる『60℃のお湯を流して詰まりを抜く』という対処法を紹介します。
キッチンの場合は、排水口の内部に詰まっている汚物の原因が『油』である場合が多いので、熱いお湯は特に有効です。
油は熱で溶けやすい性質があるため。排水口の掃除に使用するお湯の温度は60℃が目安です。
なぜ温度が60℃については、配管に使われている塩ビパイプ(塩化ビニル管)の耐熱性が、一般的に60℃までとされているため。
これ以上高い温度になると、配管を傷める可能性があるので避けてください。
作業は以下のような手順で行いましょう。
1.給湯器の温度を60℃に設定する

画像提供:株式会社HLS
給湯器で温度を設定できる場合は、あらかじめ60℃にしておきます。
60℃のお湯は、少し触れた程度でヤケドはしにくいですが、何も知らずに手を入れると驚くくらいの温度です。
お湯の準備ができたら、次は流し排水口の部品を外します。
上から順番に、『菊割れゴム』『ゴミ受けバスケット』『椀トラップ』となっているので、それらをすべて外します。
2.シンクに熱いお湯をためる

画像提供:株式会社HLS
シンクにお湯をためるには、排水口に栓をする必要があります。ためるお湯は60℃と高温なため、手を入れることができません。
ここで利用するのは2ℓのペットボトル。ペットボトルを逆さにして排水口に差し込み、手で押さえることでお湯に手を触れることなく栓ができます。
ちなみに、タオルなどで栓をする方法もあります。
タオルを使う場合は、端のほうを流しのヘリにかけておいて、栓を抜く時に手をお湯に入れずに済むようにしておきます。
3.流しがお湯でいっぱいになったら栓を抜く

画像提供:株式会社HLS
お湯で流しがいっぱいになったら、ペットボトルを外しましょう。栓を抜くと、一気に『流し排水口』にお湯が流れ込みます。
流れてくるお湯で油が柔らかくなり、少しずつ油分が剥離(はくり)します。
この作業をもう一度繰り返せば、軽めの排水口の詰まりなら、ほとんど解消するはずです。
4.パイプ洗浄剤を投入する

画像提供:株式会社HLS
お湯で油分が溶けやすくなり、排水ホースの中がある程度きれいになったところで、パイプ洗浄剤を投入します。
パイプ洗浄剤を流した後、しばらく放置しましょう。時間をおくことで洗剤の効果が増します。
5.排水管内部の油カスを洗い流す

画像提供:株式会社HLS
一定時間放置した後、蛇口の水を1分間ほど出しっぱなしにして、洗剤と汚れを洗い流してください。
ボコボコと音がすることなく、ズズーっという感じで水が流れて行けば、排水口の詰まりは解消している証拠です。
本記事で紹介したのは、あくまでも基本の対処法です。このほかの解決方法は、HLSのウェブサイトに詳細に掲載されています。
本記事で紹介した方法を用いれば、自分でキッチンの排水口詰まりを解消できるかもしれません。
ただし、自分で対処できない場合は、無理せずにプロに依頼するのがおすすめです。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]