社会には、さまざまな事情で障害を抱えながら暮らしている人たちがいます。
視覚障害があったり、歩行が難しかったりする人も、生活をする上でサポートが必要になる場面が当然あるものです。
視覚障害のある男性、横断歩道の前で?
障害のある人の生活や社会参加を、デザインの力で支援する会社を経営している、方山(@denkiry)さん。
ある日、街中を歩いていると、白杖を持った男性を発見しました。
男性が向かう先は、赤信号になっている横断歩道。渡ってしまわないかとヒヤヒヤしながら見守っていると…。
「今は信号が赤です」
どこかから、赤信号であることを伝える音声が流れてきたのです。
そして、信号機が青に切り替わると、「信号が青になりました」と再び音声が流れ、男性が横断歩道を渡り始めました。

※写真はイメージ
不思議に思った方山さんが白杖を持つ男性をよく見ると、首に紐でぶら下げたスマホから、音声が流れていることに気が付きました。
方山さんはこのような技術があることは知っていましたが、実際に使っている人を初めて見たので、改めて感動したといいます。
スマホから流れている音声の正体を調べたら…
通常、視覚障害のある人が横断歩道を渡る際は、信号機が青になると音が鳴る音響式信号機などが頼りです。
しかし、音響式信号機が設置されていない道路もあるため、時には危険を伴うこともあるでしょう。
後日、方山さんが男性のスマホから流れていた音声の正体を調べたら、視覚障害のある人をサポートするスマホアプリがあることを知りました。
車や点字ブロックなどを検知したり、信号機などの情報を伝えてくれたりするそうです。こうしたサービスが、障害のある人の快適な暮らしを支える存在として、もっと普及してほしいですね。
バリアフリー化の進歩を感じさせるエピソードには、11万件もの『いいね』とさまざまなコメントが寄せられました。
・こういうところにこそ、もっと最新技術を導入してくれたら嬉しいね。
・「困っている誰かのために新しい技術を活かせないか」と考えて、実際に形にする人のことを心から尊敬する。
・す、すげぇ!このような技術が世の中にもっと広まってほしい。
・いい時代だな。これこそテクノロジーの正しい使い方だ。
なお方山さんは、男性のスマホから音声が流れていたため「大丈夫だろう」と思い、信号の切り替わりを伝えられなかったことを、後悔しているといいます。
確かに、このような音声サービスがあっても、確実に機能するとは限りません。
今後、障害を抱える人の助けになる技術が増えていくとしても、やはり人と人との助け合いが変わらず大切であることに変わりはないでしょう。
[文・構成/grape編集部]