食育とは、食に関する知識と、『食』を選択する力を身につけ、健全な食生活ができる力を育むことです。
内閣府大臣官房政府広報室が運営する『政府広報オンライン』によると、内閣府は毎年6月を『食育月間』として、食育をより広めるために全国各地でイベントなどを実施しているとのこと。
また、毎月19日は自分や家族の食生活を見直す機会として、『食育の日』と定めています。
そこで、『食育の日』にちなんで、バランスのよい食事に関するクイズです!
トーストと目玉焼きの献立に、もう1つ追加するなら、次のうちどれがよいでしょうか。
A.ウインナー
B.フルーツヨーグルト
C.野菜サラダ

答えは分かりましたか。
本記事では、クイズの正解と合わせて、管理栄養士の筆者がバランスのよい献立をつくるポイントを紹介します!
バランスのよい献立とは
「バランスよく食べましょう」と耳にすることも多いですが、実際のところ、どんなものを選んだらよいか迷うこともあるかもしれませんね。
バランスのよい献立は主食、主菜、副菜をそろえることがポイント。
主食はご飯やパン、麺類などで、炭水化物を多く含み、エネルギー源になるものです。

トースト
主菜は肉、魚、卵、大豆製品などを使った料理で、身体をつくるもとになる、たんぱく質を多く含みます。

目玉焼き
副菜は野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、身体の調子を整える働きをします。

野菜サラダ
これにあてはめると、トーストは主食、目玉焼きは主菜になるので、このクイズでは副菜を選ぶとバランスのよい献立になります。
選択肢『A』は主菜で目玉焼きと重なってしまい、『B』は主食、主菜、副菜に該当しないため、副菜である『C』が正解。
今回はトマトとレタスのサラダを紹介しますが、キノコやイモ、海藻などを使ったサラダもよいでしょう。

主食、主菜、副菜がそろった食事
ちなみに、選択肢『A』のウインナーと『B』のフルーツヨーグルトですが、決して選んではいけないものではありません。
ウインナーとフルーツヨーグルトはどんな時に選ぶとよいのか、どのように取り入れたらよいのかを説明します。
適量を食べよう
ウインナーは主菜になる料理なので、先ほどの献立では、目玉焼きの代わりに献立に取り入れることができます。
ウインナーと目玉焼きを一緒に食べるのもよいのですが、献立の内容や量が大切です。

ウインナーと目玉焼き
主菜ばかり食べて、主食と副菜が食べられなくなると、バランスが偏ってしまいます。
目玉焼きとウインナーだけではなく、トーストなどの主食とサラダなど副菜も一緒に並べましょう。
また、食事をどれだけ食べたらよいかは、性別や年齢、身体活動量によって異なります。
例えば、厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)によると、たんぱく質の1日の推奨量は、18~64歳の男性は65g、女性は50gとなっています。
激しい運動をする人は、たんぱく質の必要量がより多くなるので、自分の適量に合わせて食べるようにしましょう。
牛乳・乳製品、果物も大切
主食、主菜、副菜には該当しないフルーツヨーグルトですが、これも大切なものです。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品からは骨や歯をつくるカルシウム、果物からは肌などのコラーゲン合成に不可欠であるビタミンC、余分な塩分を排出する働きなどがあるカリウムを摂ることができます。

フルーツヨーグルト
主食、主菜、副菜をそろえるとともに、牛乳・乳製品と果物も食事に取り入れるとよいです。
例えば、グラタンやシチューなどの料理に牛乳を使ったり、デザートにミカンやリンゴを添えたりするのもよいでしょう。
朝昼夕の食事で摂れない場合には、おやつの時間に取り入れるのもおすすめですよ。
まずは主食、主菜、副菜をそろえよう!
今回の献立にはありませんでしたが、献立を構成する料理には汁物もあります。
汁物は食欲増進や水分補給に役立ち、内容によって主菜や副菜にもなるので、うまく取り入れていくといいでしょう。

※写真はイメージ
しかし、主食、主菜、副菜1~2品に、汁物をそろえた一汁二菜や一汁三菜などの献立を、いつも用意するのは大変かもしれません。
そんな時はまず、主食、主菜、副菜をそろえることを意識してみてください。
簡単にできる目玉焼きのような料理でも主菜になりますし、前述の通り、汁物の具を工夫すれば主菜にも副菜にもなります。
バランスのよい献立を作るためには、難しい料理を作る必要はありません。市販の総菜などを活用するのもおすすめ。
紹介したポイントをおさえながら、気軽にバランスのよい食事を意識してみてはいかがでしょうか。
筆者のブログやSNSでは、ほかにも食にまつわる情報を発信しているので、気になった人は覗いてみてくださいね!
ブログ:食育ノススメ
Instagram:akiyo_koizumi
[文・構成/grape編集部]

フリーランスの管理栄養士、料理研究家。
レシピ開発や記事執筆、撮影の調理、フードスタイリングなど、食や栄養に関するさまざまな業務をおこなう。
健康的でおいしい料理や献立、手軽に栄養摂取できる工夫などを発信している。