カレーやポテトフライ、コロッケなど、子供に人気のメニューに入っていることも多い、ジャガイモ。
熱すればホクホクとして甘く、さまざまな料理に使えるため、常備している家庭も多いでしょう。
しかし、保存方法や調理時に注意しなければ、腹痛や吐き気をもよおす、食中毒にかかってしまう危険性もあります。
ジャガイモで食中毒にならないためには?
農林水産省によると、ジャガイモで食中毒になる主な原因は、天然毒素であるソラニンやチャコニン。
ジャガイモの芽や皮に多く含まれており、体内に入り症状が出るまでの、いわゆる『潜伏期間』は20分~24時間といわれています。
そのため、調理前には、あらかじめそれらの部分を取り除くことが重要です。

※写真はイメージ
ジャガイモの芽や皮の処理方法
まずは、芽だけでなく、芽の根元も深くえぐるように、多めに取り除きます。
皮が緑色に変色している場合は、特に毒素が多く含まれている可能性があるため、厚めに剥きましょう。
新ジャガイモは、皮ごと食されることも多いですが、皮が薄いため緑色になりやすいそうです。
ジャガイモの保存方法
ジャガイモは傷が付いたり、光が当たったりすると、ソラニンやチャコニンが増えます。
傷付けないよう丁寧に扱い、冷暗所で保存するのがよいでしょう。
また、毒素の濃度が高くなると、苦味が強くなります。
「味がおかしい」と感じたら、食べないようにしましょう。
ジャガイモを買う時、保存する時の注意点について、農林水産省はこのように紹介しています。
・芽が出ていたり、皮に緑色の部分があるじゃがいもは買わないようにしましょう。
・家庭での長期間の保存を避けるため、じゃがいもはその都度必要な量を購入しましょう。
・特に、新じゃがは、水分が多いため長期保存に向かず、また皮が薄いため緑色になりやすいです。
・じゃがいもは、暗くて涼しくて通気性がよい場所に保存しましょう。冷蔵庫で保存する必要はありません。
農林水産省 ーより引用
有害物質『アクリルアミド』
ジャガイモを冷蔵庫で保存すると、糖の濃度が高くなります。
「甘くおいしくなるのでは…」と思うかもしれませんが、『揚げる、炒める、焼く』といった調理方法で使う時は要注意。
120℃以上の高温で調理すると、ジャガイモに含まれる糖とアミノ酸が反応して、アクリルアミドという有害物質が生成されます。
そのため、冷蔵保存で糖度が増したジャガイモを高温調理すると、より多くのアクリルアミドができる可能性があるのです。
冷蔵保存したジャガイモは『煮る、蒸す、ゆでる』といった水を使う方法で調理すると、アクリルアミドができにくくなります。

※写真はイメージ
ジャガイモは、時間とともにシナシナとしおれていく葉野菜に比べて、劣化が分かりづらい根菜。
変色や芽の成長に気付かず食べてしまわないように、買ったら早めに食べ切ることが大切ですね。
[文・構成/grape編集部]