春から夏は、ミツバチの『引っ越し』シーズン。
ミツバチの数が増えて、巣の中が狭くなると、女王バチが多くの働きバチを連れて移動します。
動き始めたミツバチの群れは、休憩を取りながら、次の巣が作れる場所を探すのです。
見慣れないミツバチの群れを発見したら…
突然現れた大量のミツバチに、恐怖を覚える人もいるかもしれません。
もし、『引っ越し中』のミツバチに遭遇したら、どのような対応をすればいいのでしょうか。
東京都町田市で、ミツバチの研究をしている、玉川大学ミツバチ科学研究センターに話をうかがいました。
同センターによると、そもそもミツバチの群れが一か所にとどまるのは、このような単純な理由からだといいます。
そこに女王バチがいるからです。
女王バチは体が重く、移動中に休むことがあります。女王バチが動き出せば、ほかのミツバチもまた移動を再開します。
女王バチが休憩する場所は、木の太い枝や幹、電柱、信号機などと幅広く、時には、車にも群がります。
車や玄関先でミツバチの群れを見つけると、驚きのあまり水や殺虫剤をかけたくなる人もいるかもしれません。
しかし、同センターによると、群れがバラバラになるようなことをされると、ミツバチが興奮してしまうため、危険な行為だといいます。

※写真はイメージ
ミツバチたちは一時的に休憩しているだけで、数時間経てば別の場所へ移動していくのだとか。
移動中のミツバチたちがおとなしいことから、群れを見かけた場合の対応として、何もせずに見守ることが推奨されています。
生活に支障が出る時の対応
ミツバチの群れに困っているという話題が、SNSで注目を集めることもあり、ネット上ではこのような声が上がっています。
・通学路だと、子供がミツバチにちょっかいを出すかもしれないから、危ないよね。
・すぐに車を動かしたい時は、ものすごく困る。
・どこに連絡をすればいいのかが分からない!
・遭遇したことがあるけど、大量のハチに泣きそうになった。
ミツバチを優しく見守りたくとも、自宅の玄関先や車といった生活に密接な場所だと、支障が出てしまう可能性がありますよね。
同センターに対応策を尋ねたところ、このような回答がありました。
いつまでもミツバチの群れが移動しない場合は、近くの養蜂家に連絡すると、取りに来てくれる場合があります。
自治体でも、駆除業者を紹介してくれるのではないでしょうか。
群れを見かけても自分自身で対処せず、専門業者などに相談して、適切に対応するのが大切とのこと。
ミツバチは、植物の受粉を助ける、大切な益虫です。
ミツバチたちの生態を知ることは、共生への一歩といえるでしょう!
[文・構成/grape編集部]