同じ物でも、人によって価値が変わることがあります。

ある人にとっては、なんてことない物でも、別の人にとっては大切な物だという場合があるでしょう。

『螺鈿(らでん)』という、貝と漆を使った工芸品を作る職人である、野村拓也 (@takuyanomurardn)さん。

ある日、仕事で大量の鉛筆が必要になりました。

母親に「明日、仕事でたくさん鉛筆が必要なんやけどある?」と聞くと、「あ~、あんたの小さい頃に使ってたやつが、いっぱい残ってるで」と返答が。

「新品やし使えるやん」と実際に鉛筆を見せてきましたが、野村さんは「削れない…俺には削れない」という気持ちになったそうです。

野村さんが、鉛筆を削れなかった理由というのが…。

母親「新品やし使えるやん」 しかし、職人は使えず…理由が?
鉛筆の画像

ただの鉛筆ではなく、キャラクターが描かれたオモチャの鉛筆だったのです!

転がして出た目に書かれている内容に従い、友人とバトルを行う鉛筆は、1990年代に発売され人気を博しました。

学校で友人たちと、夢中になって遊んだ記憶がある人も多いでしょう。

母親にとっては、ただの新品の鉛筆かもしれませんが、野村さんにとっては懐かしい思い出が詰まったもの。

野村さんの気持ちに共感する人は多かったようで、Xの投稿には、12万件以上の『いいね』とさまざまな声が寄せられました。

・これは削れないわ。青春。

・懐かしすぎるー!今見ても、ときめくデザインですね。

・みんなで遊びすぎて、学校で禁止になったことを思い出した…。

・なんか、記憶がタイムスリップして涙が出てきたわ。

その後、野村さんが当時の鉛筆をどうしたかというと…。

母親「新品やし使えるやん」 しかし、職人は使えず…理由が?
鉛筆の画像

削って使用していました!

「断腸の思いで削ったら心も削れました。早退します」と切なさを感じるコメントを残した、野村さん。

精神を削ってまで使用した鉛筆で果たした仕事は、いつも以上に気合いが入ったはず。きっと、よりよい作品に仕上がったことでしょう…!

[文・構成/grape編集部]

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