食育とは『食』に関する知識と、『食』を選択する力を身につけ、健全な食生活ができる力を育むことです。
内閣府大臣官房政府広報室が運営する『政府広報オンライン』によると、毎月19日は自分や家族の食生活を見直す機会として、『食育の日』と定めています。
今月も『食育の日』が近付いてきたので、バランスのよい食事に関するクイズです!
コンビニエンスストア(以下、コンビニ)で梅おにぎりと海藻サラダに加えて、もう1つ購入するなら、次のうちどれがよいでしょうか。
A.味噌汁
B.サバの塩焼き
C.どら焼き
答えは分かりましたか。
本記事では、クイズの正解と合わせて、管理栄養士の筆者がコンビニでバランスよく選ぶポイントを紹介します!

おにぎりとサラダ
コンビニで3つ選ぶなら?
バランスよく食べたほうがいいことは分かるけれど、実際は何を選んだらいいのか迷うこともあるかもしれませんね。
以前、バランスのよい献立の考え方を紹介しましたが、実は工夫次第で、身近にあるコンビニ商品でもバランスよく食べることはできます。
バランスのよい献立は主食、主菜、副菜をそろえることがポイント。
主食はご飯やパン、麺類などで、炭水化物を多く含み、エネルギー源になるものです。

おにぎり
主菜は肉、魚、卵、大豆製品などを使った料理で、身体をつくるもとになる、たんぱく質を多く含みます。

さばの塩焼き
副菜は野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、身体の調子を整える働きをします。

サラダ
これにあてはめると、梅おにぎりは主食、海藻サラダは副菜になるので、このクイズでは主菜を選ぶとバランスのよい献立になります。
選択肢『A』は汁物、『C』はお菓子で、いずれも主菜には該当しません。したがって、この中で主菜となる『B』が正解です。
今回はサバの塩焼きでしたが、コンビニで買えるサラダチキンやから揚げ、玉子焼きなども主菜になりますよ。

主食、主菜、副菜がそろったコンビニ献立
ちなみに、選択肢『A』の味噌汁と『C』のどら焼きですが、決して選んではいけないものではありません。
味噌汁とどら焼きはどんな時に選ぶとよいのか、どのように取り入れたらよいのかを説明します。
汁物について
汁物は食欲増進や水分補給などに役立ち、内容によって主菜や副菜にもなります。
具が少ない汁物では主菜、副菜にはなりませんが、肉、魚、卵、大豆製品などを使った汁物であれば主菜になり、野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った具だくさんの汁物であれば副菜になることも。
しかし、インスタントの味噌汁では、主菜や副菜にするにはちょっと具の量が足りなさそうです。

コンビニの味噌汁
しかしながら、汁物にも大切な役割があるため、献立全体のバランスや食べやすさなども考えて、主食、主菜、副菜に加えて取り入れるとよいでしょう。
お菓子の取り入れ方
お菓子は日々の食生活の中で、楽しみになっている人も多いでしょう。
しかし、お菓子は高カロリーなものが多く、食べすぎによりエネルギーを摂りすぎてしまうと、肥満などになる可能性があります。そのため、適度に取り入れることが大切です。

コンビニのどら焼き
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した『食事バランスガイド』によると「菓子・嗜好飲料は1日200kcal程度が目安」とされています。
コンビニスイーツにも、どのくらいエネルギーがあるのか表示されているので、買う時や食べる時にチェックするとよいでしょう。
牛乳・乳製品、果物も大切
今回のクイズには登場しませんでしたが、牛乳・乳製品と果物も大切です。
牛乳・乳製品からは骨や歯をつくるカルシウム、果物からは肌などのコラーゲン合成に欠かせないビタミンC、高血圧の予防や改善に役立つカリウムを摂ることができます。
例えば、おやつやデザートにチーズやヨーグルト、カットフルーツを食べるのもよいでしょう。
主食、主菜、副菜をそろえることに加えて、1日の食生活の中で牛乳や乳製品、果物も取り入れてみてくださいね。

フルーツヨーグルト
コンビニで手に入る商品でもバランスよく食べることができるので、紹介したポイントを意識しながら選んでみてはいかがでしょう。
筆者のブログやSNSでは、ほかにも食にまつわる情報を発信しているので、気になった人は覗いてみてくださいね!
ブログ:食育ノススメ
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連載ページ:今日のごはん、何にする?
[文・構成/grape編集部]

フリーランスの管理栄養士、料理研究家。
レシピ開発や記事執筆、撮影の調理、フードスタイリングなど、食や栄養に関するさまざまな業務をおこなう。
健康的でおいしい料理や献立、手軽に栄養摂取できる工夫などを発信している。