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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、イラストレーターの渡辺裕子(@satohi11)さん。
2025年7月スタートのテレビドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
独身生活を謳歌する元検事の弁護士・原田幸太郎(阿部サダヲ)。
冤罪事件で無罪を勝ち取ったことをきっかけにテレビに出るようになり、ワイドショーやクイズ番組にも出演し、お茶の間からも大人気だ。

そんな多忙なある日、討論番組の途中に倒れて入院してしまうが、家族がいないため、手術の承諾書は自分でサインするしかなく、見舞いも仕事関係者からの形式的なメールだけ。
孤独を感じて落ち込んでいる時に、病院のエレベーターで出会った鈴木ネルラ(松たか子)につい声をかけてしまい、彼女に運命を感じ、電撃結婚をする。

ネルラの父・寛(段田安則)、叔父・考(岡部たかし)、弟・レオ(板垣李光人)が各階に住むマンションで新婚生活を送る幸太郎とネルラ。
週に一度は一緒に食事をするほど仲のいいネルラの家族の中で、ひとりが好きな幸太郎は若干居心地が悪くもあるが、それでも結婚したことを楽しんでいる。
しかし、幸太郎の前に現れた刑事・黒川竜司(杉野遥亮)からネルラが隠している衝撃の過去が告げられ、彼の『しあわせな結婚』が揺らいでいく。


『変』が散りばめられたホームドラマ
初対面の幸太郎をじっと見つめ、突然紙袋を押し付けて去るネルラ。
入院中の幸太郎からのメッセージは既読スルーなのに、退院時には病院前で待ち構えていて、家に来ないかと誘うネルラ。

50歳まで独身を貫いてきた幸太郎がつい結婚してしまうほど、ネルラは美しく魅力的。
そしてどこか『変』。
今まで付き合った女性とは違う、予測できない行動をし続ける彼女に恋をしてしまうのは、なんとなく分かる。
変な寝相、変な歩き方…次にこの人は何をするのだろうかと、ずっと見ていたくなったらそれは結婚するしかない。

そんな『変な女性』と結婚をした男のラブコメディかと思っていたのに、ネルラの『変』について笑っていられたのは最初のうちだけ。
15年前に婚約者・布勢夕人(玉置玲央)を殺したかもしれないというネルラの秘密が明かされた瞬間、それまでのネルラへの『変でおもしろい』という印象が一気に『変で怖い』に変わってしまった。

叔父が作るビーフシチューにはネルラが大好きなレンコンが入っていて、彼女は箸を使って食べている。
そこまでは、変だけど理解できなくもない。
けれどそこで「レンコンより幸太郎さんが好き」と言い出すのは、かなり変。
ネルラにとっては男もレンコンも、おいしく吸収して栄養にするための食べ物のジャンルに入っているのかもしれない。そう考えると怖い。

ネルラはクロワッサンをむしゃむしゃバリバリと真ん中から食べる。
他人の目を気にせずに、自分の欲しいものを好きなようにむさぼって食べる姿は、変でおかしい、だけど怖い。

ネルラと幸太郎のベッドの形がバラバラなのは、お互いが結婚前から使っていたものを並べたからだろうか。
そのベッドでくにゃくにゃになっているネルラの変な寝相は、走る姿にも見える。
夢の中の彼女は、何かから走って逃げているのかもしれない。
変で怖いネルラには、気になる謎がまだまだある。
ネルラが好きだという『股関節の女』という絵画は、彼女の過去に何か関係があるのか。
鈴木家の仏壇にある、ネルラの母以外のもうひとつの位牌は誰のものなのか。
15年前、ネルラは婚約者を殺したのか。黒川刑事はなぜこの事件を追い続けているのか。
すべての謎が解けた時、幸太郎はネルラの『変』をそれでも愛し、『しあわせな結婚』を続けていられるのか。

笑いながらゾクゾクしてしまう『変』な物語は、どうやらラブコメディというよりもブラックコメディらしい。
ふたりのこれからの結婚生活が、怖くて楽しみ。
『しあわせな結婚』出演の阿部サダヲ・松たか子の取材会も
grapeでは、阿部さんと松さんが出席した取材会の様子も公開しています。
お互いの好きなところを聞かれた松さんは、なんて答えたのでしょうか…。また松さんの回答に対する阿部さんの反応も必見です。
松さんと阿部さんの回答は、こちらの記事からご覧ください。
さらに、脚本家の大石静さんも交えた取材会の記事では、大石さんから見た2人の芝居についても語られています。
ドラマと一緒に、お楽しみください!
[文・構成/grape編集部]
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