満月が地球の影に完全に隠れる皆既月食が2025年9月8日未明、全国各地で観測されました。
皆既月食が3年ぶりに見られる機会とあって、多くの人が夜空にカメラを向けたことでしょう。
東京都立川市にある立川高校の天文気象部員も、皆既月食の撮影に挑戦。
撮影に成功した写真を、部のXアカウント(@tamc_net)で公開したところ、15万件を超える『いいね』が付く大反響を呼びました。
ある珍しい現象も相まって、なんとも美しい仕上がりとなった、皆既月食の写真がこちらです。

月面を、白色と赤色で二分するかのように、青い帯が横切っています。
青い帯は『ターコイズフリンジ』と呼ばれており、皆既月食の始まりや終わりなどに現れる珍しい現象です。
太陽光が大気のオゾン層を通過する際に赤色の光が吸収され、波長の短い青色の光だけが表面に投影される現象といいます。
部員たちは明るさの設定がそれぞれ異なる8枚の写真を合成し、神秘的な写真を仕上げました。写真の撮影と編集の高い技術がうかがえる1枚ですよね…!
【ネットの声】
・美しい!素敵な写真をありがとうございました。
・幻想的。宇宙の神秘を感じますね…。
・キャンディみたいでおいしそう。
・宝石のようだ。
皆既月食の写真を撮影した立川高校の天文気象部員に取材すると…
grapeが、同校の天文気象部員を取材すると、皆既月食の写真撮影に至るまでの秘話を明かしてくれました。
――ターコイズフリンジが現れた皆既月食の写真を撮影した経緯を教えてください。
皆既月食の際に見られるターコイズフリンジがきれいだと知ったのが、撮影をしたいと思ったきっかけです。
ただ、当日は文化祭2日目の深夜だったので、学校の先生に頼んで撮影許可をもらいました。
全学年の部員と顧問の先生で協力し、月が沈むまで観測を行いましたよ。
――この写真の撮影と編集で苦労した点は?
明るさが大きく異なる半影と本影の両方が写るように、露出の設定を変え、何枚かの写真を撮らなければいけなかった点です。
写真を編集する時の露出調整も難しかったですね。
――写真を改めて見て、どう感じますか?
もう少し半影と本影の明るさの差を大きくして、肉眼で見える光景に近づくようにできたらよかったかな、と思います。
でも、ターコイズフリンジの青い部分をきれいに写すことができました。
Xの投稿もここまでバズるとは思わなかったので、かなり満足しています!
文化祭の疲れがある中、先生に夜間の撮影を直談判した部員たち。幻想的な皆既月食の写真は、熱意の結晶ともいえますね…。
部員たちにとって、珍しい皆既月食を見上げた一夜は、忘れられない青春の1ページになったことでしょう!
幻想的な皆既月食の写真をもっと見たい人は、以下の記事をご覧ください。
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[文・構成・取材/grape編集部]