洗濯研究家の平島利恵です。
衣替えの季節、タンスから夏服を出した時に「去年はなかったはずの黄ばみやシミが浮き出て、着られなくなっていた…」という経験はありませんか。
お気に入りの服を泣く泣く処分するのは、とても残念なことですよね。
黄ばみを防ぐ!『しまい洗い』3つのポイント
黄ばみの原因は『見えない汚れの酸化』。
汗や皮脂は透明なので、洗った直後はきれいに見えますが、皮脂は水に溶けにくく、落とし切れないと繊維に残ります。
それが時間とともに酸化し、翌年の黄ばみやシミにつながるのです。
イメージとしては、リンゴの切り口が茶色く変色するのと同じ現象。特に夏服は要注意です。
Tシャツやシャツ、ブラウスなどは大量の汗を吸い込み、見た目以上に汚れが残っています。
だからこそ、衣替えの『しまい洗い』で、見えない汚れをしっかり落としてから収納することが大切です。
以下は、押さえておくべき3つのポイントになります。
1.必ず洗ってからしまう
「短時間しか着ていないから」とそのまま収納すると、汗や皮脂が酸化して黄ばみの原因になります。
少しでも着たら、必ず洗濯してからしまいましょう。

2.汗を吸った服は温水洗い
洗濯をする時は水を使うという人も多いかもしれません。
実は、40℃前後のお湯を使うと洗剤の力が活性化し、皮脂汚れも落ちやすくなります。
食器の油汚れがぬるま湯で落ちやすいのと同じ仕組みです。
温水機能がない洗濯機でも、お風呂のお湯取りホースで、きれいなお湯を給水すれば簡単に温水洗いができます。

3.黄ばみやニオイが気になる服は『つけ置き洗い』
お湯にアルカリ性の粉末洗剤をよく溶かし、30分~1時間つけ置きします。
その後、つけ置きした衣類を洗濯機に入れて回せば、黄ばみだけでなく、繊維の奥にたまったニオイまでスッキリ落とせます。

実際の効果は、筆者のYoutubeチャンネル内の動画『白Tシャツの黄ばみ汚れを超簡単に綺麗にしてみた』でチェックしてみてくださいね。
秋服の『出し洗い』も忘れずに!
長期間しまっていた服は、ホコリや収納臭がついていることがあります。
これからの季節に活躍する秋服。着る前に一度洗う『出し洗い』をすることで、気持ちよく安心して秋のおしゃれを楽しめるでしょう。
先述の通り、黄ばみは見えない汗や皮脂の汚れが原因です。
衣替えの前に『しまい洗い』を習慣にして、お気に入りの服を来年も気持ちよく着ませんか。

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洗濯研究家であり、株式会社Heulie(ユーリエ)の代表取締役。フルタイムで働く4児のママ社長。
洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。
自社ブランドの人気の洗濯洗剤「Rinenna(リネンナ)」は、つけ置き洗いで驚くほど汚れが落ちると、好評を得ている。
Webマガジン『暮らしの道具店』で、洗濯についてのコラム監修
Rinenna公式ページにて洗濯コラムを執筆
https://rinenna.jp/
⇒YouTube、Instagram
[文・構成/平島利恵]