日本食に欠かせない存在である、味噌。
腸内環境の改善や美肌効果もあるといい、栄養価が高いことでも知られていますよね。
現代人はもちろんのこと、今より食料の少ない戦国時代を生きた武将たちも、味噌を積極的に食べていたそうです。
説によると、織田信長は『焼き味噌』を使った湯漬けを好んで食べていたのだとか。
焼き味噌の湯漬けとは、一体どのようなものなのでしょうか。気になった筆者が、実際に作ってみました!
焼き味噌の湯漬けとは 詳しく調べてみると…
日本各地で戦争が起きていた、戦国時代。味噌は、戦場でも活躍しました。
兵士たちはイモの茎を編み、味噌で煮つけたものを腰につけ、携帯食にしていたといいます。

※写真はイメージ
歴史好きの筆者は、戦国大名らが味噌を食べていたのは知っていたので、織田信長が焼き味噌を好んだというのも、ある程度本当の話だと思っていました。
念のため織田信長関連の資料を多く所蔵している博物館に聞いてみたところ、返ってきた回答が、こちら。
申し訳ありませんが、信長が焼き味噌を好きだったという話は、まったく存じません。
まさかの展開です…!
驚いた筆者は、次々とほかの博物館、資料館などに電話するも、あえなく撃沈。
各館に「あそこなら知っているかも…」という場所を教えてもらい、最終的にたどり着いたのが、岐阜県岐阜市大宮町にある岐阜市歴史博物館でした。
同館は、当時の食生活を踏まえて、このように答えてくれています。
残念ながら、織田信長が焼き味噌を好んだという資料はありません。
とはいえ、戦国時代では一般的な食事なため、戦国大名なら食べていたはずです。
織田信長も、食べてはいたと思いますよ。
ついに、肯定してくれる博物館が見つかり、筆者は焼き味噌の詳しい作り方を質問。
同館から、「焼き味噌は、味噌にネギなどを加えて、焼いたものだろう」といった有益情報を聞いて、ようやく『焼き味噌を使った湯漬け』に挑戦する準備が整いました。
焼き味噌の湯漬けを実食!
岐阜市歴史博物館から教えてもらった情報や、さまざまな焼き味噌レシピから、だんだんと『焼き味噌を使った湯漬け』について分かってきました。
味噌と薬味を混ぜて焼いたものをご飯にのせて、お湯を注いで食べるものなのでしょう。
そこで、筆者が用意した材料が、こちらです。

【材料(1人分)】
・八丁味噌 大さじ1杯
・細ネギ 適量
・ショウガ 適量
・白ゴマ 適量
・冷ましたご飯 茶碗1杯
・お湯 適量
織田信長は、現在の愛知県がある尾張国の出身。そのため、愛知県で作られている八丁味噌を使用しました。
筆者は初めて八丁味噌を買ったので、見慣れない赤みそに興奮します!

まず、この八丁味噌をベースにした焼き味噌を作っていきましょう。
細ネギは小口切り、ショウガは千切りにしてから、白ゴマと一緒に味噌に加えます。

よく混ぜてから、フライパンで味噌を焼きました。
少ない分量で、平たくして焼いているレシピが多かったため、このような形で真似しています。

焼けているのか焦げているのか、正直見た目では分かりません…。匂いや質感に気を配りながら弱火で焼きました。
お茶碗に、ご飯、焼き味噌の順でのせます。そこにお湯をかければ、湯漬けの完成です。

戦国時代は、炊飯器がないため、現代のように毎食ご飯を炊くことはできません。
岐阜市歴史博物館からも「冷えて固くなったご飯を柔らかくするため、湯漬けにして食べているイメージがある」という話を聞いていたので、筆者も冷えたご飯を用意しました。
冷えたご飯とはいえ、白米が高級品だった戦国時代の人から見れば、筆者が作った湯漬けは『贅沢な食べ方』として驚かれるかもしれませんね…。
食べてみると、味噌のコクがふわりと口の中に広がりました!
味噌がかなり入っているので塩辛いかと思ったのですが、案外塩気はほどよく、まろやかな味です。

また、薬味が程よいアクセントになっていて、飽きることなく食べられました。食欲があまりない時も、これなら食べやすそうですね。
織田信長といった名だたる武将も食べたかもしれない食事が、自分の目の前にあると思うと、ロマンを感じます。
筆者は、焼き味噌の味が好みだったので、おにぎりに入れるといったほかの食べ方にも挑戦してみたいです。
あなたも、焼き味噌の湯漬けを作ってみてはいかがでしょうか。
戦国時代にタイムスリップしたような、不思議な気分が味わえますよ!
[文・構成/grape編集部]