常夏の国、マレーシアでは、日本ではあまり見かけない珍しい果物が楽しめます。
2025年10月現在、マレーシアのボルネオ島に暮らしている筆者が、ローカルの市場に買い物に行った時のこと。
枝豆と同じカゴに入って売られていたものに、目が留まりました。

これは…何…。
ゴツゴツとした果皮が、まるで松ぼっくりのようにも見えますよね。
売り場の人によると、こちらは、『カスタードアップル』という名前のフルーツだといいます。
いかつい見た目と、スイーツのようなかわいらしい名前とのギャップに興味を惹かれ、さっそく買ってみることにしました。
カスタードアップルを食べてみた
マレー語で『Buah Nona(ブアノア)』と呼ばれるという、カスタードアップル。
マレーシアのローカルマーケットでは、1kgあたりでの価格を提示されることが多いです。
今回のカスタードアップルは、2個で5リンギット前後(180円前後)でした。高くはない価格ですが、サイズは大きくないので、そんなにお得感はありませんね。
買った時には表面が固く、食べるのにはまだ早いということで、2日間常温で追熟させました。

果皮が少し黄色味を帯びて柔らかくなり、黒い斑点が増えてきたら、食べ頃だそうです。
食べる前に冷蔵庫で冷やしてから、半分に切ってみました。

切った瞬間にバニラ、もしくはリンゴのような、甘い香りがふわっと広がります。
中は乳白色で、黒いタネがたくさん入っていました。
4分の1サイズにした果実を手に持ち、そのままパクリ。タネが多いので、スイカのような要領で、実を食べながらタネをプッと吐き出します。気になる味はというと…。

ものすごく、甘い!
乳白色の果肉は、香り豊かでクリーミー。梨にバニラアイスを合わせたような味わいで、とてもおいしいです。
食感はフニャッとして柔らかいのですが、果皮の近くはシャリッとしていました。
味がおいしいだけに、タネが多くて可食部が少ないのが残念です。
調べると、果肉の量や質は品種によって違うとのことでした。また、熟しすぎると果肉部分が少なくなってしまうことがあるそうです。
日本のスーパーマーケットではほぼ見かけない、カスタードアップル。
[文・構成/grape編集部]