洗濯研究家の平島利恵です。
突然ですが、あなたの家には「黄ばんで捨てるしかない…」と、諦めた衣類はありませんか。
今回は、10年モノの枕カバー・ヒートテック・バスタオルを使って、どこまで汚れが落ちるのか実験してみました。
実験:10年モノの汚れはリセットできる?
それでは、スタッフの祖父の家で眠っていた、枕カバー・ヒートテック・バスタオルを洗ってみましょう。
まずは枕カバーから状態をチェック。黄ばみを通り越して茶色くなり、加齢臭も染み込んでいます。
撮影:Heulie
さらに、バスタオルは黒ずみとくすみでゴワゴワに…。
撮影:Heulie
ちなみに、写真でお見せすることはできないのですが、ヒートテックもかなりの年季が入っている状態です。
3つのアイテムをそれぞれ、40℃のお湯にアルカリ性の粉末洗剤を溶かし、1時間つけ置きしてみると…。
まずは枕カバーをチェック。どんどん水がにごっていきました。
撮影:Heulie
バスタオルからも、ひどくにごった水が流れ出てきます。
撮影:Heulie
白いヒートテックをつけ置きしたのに、お湯がみるみる灰色に!繊維の奥に蓄積していた皮脂や汗の汚れが、みるみる溶け出してきました。
撮影:Heulie
結果:つけ置きで、くすみが見違えるほど変化
30分後、枕カバーは黄ばみが薄くなり、2回目のつけ置きでかなり汚れが落ちました。染み込んでいたニオイも解消!
枕カバーの写真(撮影:Heulie)
くすんでいたバスタオルは、少し色が垢ぬけ、ゴワゴワ感が減りました。嫌なニオイもスッキリ。
ちなみに、ヒートテックも同様に汚れとニオイがスッキリ落ちました。
バスタオルの写真(撮影:Heulie)
つけ置き洗いの魅力は『ほったらかしでいい』ということ。
お湯を使うことで洗剤の力が最大限に働くので、繊維の奥にこびりついた汚れが自然に浮き上がります。
つけ置き洗いのコツ
以下、つけ置き洗いのコツをまとめたので、洗う時の参考にしてほしいと思います。使用する洗剤は、必ず洗濯表示を確認してくださいね。
・40~45℃のお湯で洗剤をしっかり溶かす。
・30分~1時間放置(一晩放置して、朝洗うのもOK)。
・洗濯機でよく洗い、2回以上すすぐ。
撮影:Heulie
つけ置き洗いは、手間がかかりそうに見えて、実はズボラな人におすすめの洗濯法。
動画では、汚れが溶け出すリアルな瞬間を紹介しています。意外と簡単なので、「うちでもやってみよう」と思えるかもしれません。
ヒートテックの『寿命』にも注意
ヒートテックなどの機能性インナーに使われているポリウレタン繊維は、3年ほどで劣化し、伸びたり、発熱機能が低下したりします。
ヒートテックを販売するユニクロによれば「3シーズンを目安に買い替え」が推奨とのこと。
お持ちのヒートテックが何年製のものかは、以下の画像を参考に、洗濯表示で確認してみましょう!
撮影:Heulie
捨てる前に『1回リセット』を
汚れは時間が経つほど酸化し、繊維に固着して落ちにくくなります。
繊維自体を傷めてしまい、完全に戻せない場合もありますが、早めのリセット洗いで『もう一度着られる1枚』に戻せることも。
衣類をきれいに長く使うことは、地球にも家計にもやさしい洗濯の第一歩です。
古くなった衣類やタオルなどは、捨てる前に一度『リセット洗い』を試してみてはいかがでしょうか。
撮影:Heulie
[文・構成/平島利恵]

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