寒い季節に食べたくなる料理といえば、何を思い浮かべますか。
たっぷりの野菜やキノコ、肉を入れてグツグツ煮た『鍋』をイメージする人が多いかもしれません。
2025年12月上旬現在、テテシゴト(tete_shigoto)さんがInstagramに投稿したのは、そんな鍋の具材です。
ぱっと見は、新鮮な野菜。しかしよく見ると、その大きさは…。
なんと、指にのるサイズ!
実は、テテシゴトさんは、ミニチュア作家。この『白ネギ』は、写真の左側にあるように、刺繡糸を固めたもので作る、独自の技術で制作した作品だったのです。
ちなみに「長いほうの白ネギは、表面が少し乾燥してまくれかかっているのも表現している」とのこと。
目を凝らして見ると、冷蔵庫で乾いた白ネギを彷彿とさせるリアリティがあり、緻密な技巧に驚かされますね。
驚きの作品には「ネギらしさの表現が完璧」「なんて器用なの!」といった声が寄せられました。
どうして『白ネギ』を作った? テテシゴトさんにインタビュー
繊細でハイクオリティなミニチュア『白ネギ』。
grapeはテテシゴトさんに取材し、特殊な製法を編み出した経緯や、『白ネギ』制作のきっかけについて語ってもらいました。
――特殊な製法でのミニチュア作品制作を始めたきっかけはなんですか。
過去にはワイヤーに糸を巻きつける方法で花を作っていましたが、厚みが出てしまい、リアルな花を小さく作るには不向きでした。
試行錯誤の末、刺繍糸を固めたものを『素材』として使う方法を思いつき、花びらを薄く作れるようになったのです。
それ以降、固めた刺繍糸だけを使ってミニチュアの花を作り続け、現在は講師としても活動しています。
――いつも花などをモチーフにしているようですが、今回なぜ『白ネギ』を作ろうと思ったのでしょうか。
レッスンの課題として見本の椿を作っていたんですが、椿の花芯を大量に重ねるとエノキにしか見えなくて。
それでついつい遊び心でエノキを作ってみたところ反響が大きく、「鍋の具材にしたい」なんて声もちらほらといただきました。
そこで、さらなる遊び心で「白ネギも作れるんじゃ…?」と思って、試しに白い椿の花びら用の素材に色づけしてみたところ、とても良い感じに白ネギに見えたので、くるくると巻いて仕上げました。
――作品制作の際に工夫している点、こだわっているポイントがあれば教えてください。
普段から、本物の花を観察したり図鑑を見ながら花の構造を調べたりして、できるだけリアルに近づけるよう心掛けています。
今回の白ネギも、冷蔵庫にあった本物の白ネギをじっくりと観察して制作しました。
分岐部分の、表面が軽くまくれているところを再現したのが、今回制作した白ネギの最大のこだわりポイントです。
精巧なミニチュアの花を作る過程で、偶然生まれた『鍋の具材』たち。
刺繍糸で作られた、やわらかな質感の白ネギやエノキは、なんだか見ているだけでポカポカするような気がしてきますね。
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grape編集部]

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