12月下旬から1月上旬の夜は、駅前や繁華街で、酔って歩けない人を見かける機会が増えます。

忘年会や新年会などで、お酒を飲む場が多くなる時期だからでしょう。

「少し休んでいるだけだろう」

「そのうち起きるだろう」

そう思って通りすぎてしまう光景ですが、筆者が警察官として勤務していた頃、この時期ならではの『忘れられない出来事』を何度も経験してきました。

今回はその中でも、強く印象に残っている『年始の深夜』にあった出来事をお話しします。

思わず二度見!ロータリーに横たわっていたのは…

年始の深夜、駅前交番に勤務していた筆者のもとに、1本の110番通報が入りました。

「酔っ払いが寝込んでいます。場所は駅前のロータリーです」

年末年始はこうした通報は珍しくありません。

「また今年もか…」と思いながら現場へ向かうと、そこには予想を超える光景が広がっていて戦慄しました。

「酔っ払いが寝込んでる」と通報 駅前に広がる光景に、警察官が思わず二度見
繁華街の写真

※写真はイメージ

駅前のロータリーには、5~6人の酔っ払いが寝込んでいたのです…!その光景は、まるで異世界に迷い込んだのかのようでした。

ある人は大の字、ある人はポールに巻きつくように…。

それぞれがかなり特徴的な体勢で横たわっており、まるで寝相で技術点を競っているかのようでした。

人数が多く、どの人が通報の対象なのか分かりません。

思わず無線で「現場到着。通報にあった対象の酔っ払い、どれか分かりませぇん!」と、某刑事ドラマを思い出すような一言を報告したほどです。

小1時間かけて、全員を起こすことに…

隣接する交番は別の事案に対応中だったため、この場は筆者1人で対応することになりました。

酔っ払いは起こすと突然、暴れ出すこともあり、慎重な対応が必要です。

「酔っ払いが寝込んでる」と通報 駅前に広がる光景に、警察官が思わず二度見
つかみ合いをしている人の写真

※写真はイメージ

しかし、この日は幸いにも、声をかけると全員が素直に目を覚まし、落ち着いて話を聞いてくれました。

しっかり覚醒していることを確認したうえで、その場で持ち物を確認してもらいます。

財布や携帯電話など、なくなっている物はない様子。

最終的に全員がタクシーで帰宅し、大きなトラブルには至りませんでした。

12月・1月は、特に注意が必要な時期

この時は事なきを得ましたが、警察官時代の経験では、12~1月にかけて、酔って寝込んでいる人に関する通報は増える印象があります。

先述の通り、お酒を飲む機会が一気に増えることに加え、年末年始の高揚感で気持ちがゆるみやすくなるためです。

酔って路上で寝込むことは、事故に遭う、財布を盗まれるなど、さまざまなトラブルにつながります。場合によっては、命に関わる危険も…。

「酔っ払いが寝込んでる」と通報 駅前に広がる光景に、警察官が思わず二度見
落とした財布の写真

※写真はイメージ

また、周囲の人が声をかけづらいと感じるのも無理はありません。

無理に起こそうとしてトラブルになる可能性もあるため、危険を感じた場合は、ためらわずに警察へ通報してほしいと思います。

楽しいお酒を、嫌な思い出にしないために

お酒を飲むこと自体が悪いわけではありません。

ただ、『帰るところまでがセット』だという意識を持つことが大切です。

今回はたまたま酔った人全員が無事に帰宅できたエピソードを紹介しましたが、毎回そうとは限りません。

楽しい時間を取り返しのつかない出来事にしないためにも、自分の身を守る行動を少しだけ意識してほしいと思います。

[文・構成/りょうせい]

編集部おすすめ