舞台『よろしく候~BOTTOM OF HEART~』が6月26日(木)より上演を開始する。
物語の舞台は黒船来航に揺れる幕末。
彼らが担当するのは蒸気エンジンの船底最深部、通称「ぼっとん」。灼熱のカマに石炭をくべ続ける船の原動力だった。
班長の旗本子息・榎本釜次郎と寄せ集めのメンツはすれ違いを繰り返しながらも少しずつチームになっていく。
時代と海のどん底(BOTTOM)で若さが生み出し続けた無限のエネルギーが船の外の歴史を少しずつ動かしていく。彼らの汗と熱こそが時代の波を生み出す原動力であった――。
1990年に松村武、八嶋智人、吉田晋一らによって旗揚げされた「カムカムミニキーナ」。主宰である松村は劇団の全作品の作・演出を手がけ、その独特の作風から多くの根強いファンを獲得してきた。その松村が2008年に脚本・演出・出演を務めた演目を、黒谷通生による監修のもと、キャスト、音楽、衣装、美術を一新し完全リメイク。
今回は榎本釜次郎を演じるEXILEのパフォーマーとしても活躍した松本利夫にインタビュー。本作への思いや役作りについて、注目シーンについて語ってもらった。
――本作に出演がきまったときの感想をお願いします
「歴史ある物語の中で、自分自身が生きる時代とは異なる空気や価値観に触れながら、人間の本質に迫っていく、そんな舞台に参加できることを、とても光栄に思っています」
――幕末が舞台となりますが、役作りの上で意識されたことはありますか
「榎本釜二郎という人物は、幕末という激動の時代の中で、自分の信念と向き合い続けた実直な人間だったと感じています。
また、武士としての責任感や覚悟、そして言葉にしきれない葛藤を、目の奥や立ち居振る舞いににじませられるよう、細やかに丁寧に積み上げていきたいと思います」
――ご自身が釜次郎と似ている部分や、共感できる部分はありますか
「榎本釜二郎という人物には、理想と現実の狭間でもがきながらも、自分の信じた道を貫こうとする強さがあると思います。
その姿勢には、自分自身も共感する部分が多くありました」
――黒谷さんや、作・演出の松村さん、他キャストさんと演技の上でどのようなコミュニケーションをとりましたか
「『よろしく候』の舞台では、黒谷さんをはじめ、松村さん、そして他のキャストの皆さんと、すごく丁寧にコミュニケーションをとらせていただいています。
稽古場では笑いが絶えない雰囲気の中、楽しく芝居が出来ています」
――注目してほしいシーンはどこでしょうか
「ネタバレにならないように言うと、『静けさの中に熱があるシーン』がいくつかあって。個人的には、そういう"言葉よりも気持ちが交差する瞬間"をぜひ感じ取ってもらえたら嬉しいです」
――この舞台をみる方にメッセージをお願いします
「この作品『よろしく候』は、時代背景こそ昔ですが、描かれている"人の想い"や"つながり"は、今を生きる僕たちにもすごく響くものがあると思います。
舞台って、生の空気、生の感情をダイレクトに届けられる場所なので、観に来てくださる皆さんの心にも、何かあたたかいものが残ったら嬉しいなと思っています」
文=HOMINIS編集部
公演情報
LEGENDSTAGE feat. カムカムミニキーナ『よろしく候~BOTTOM OF HEART~』
2025年6月26日(木)~6月30日(月) シアター1010