冨田侑暉(龍宮城)

2025年10月29日より日本テレビ系にて放送中のドラマ「セラピーゲーム」。恋に臆病なカメラマン・湊(MAZZEL・NAOYA)と、完璧な"スパダリ"獣医学生・静真(龍宮城・冨田侑暉)の揺れ動く恋を描く話題の実写ドラマだ。

今回は、静真を演じる冨田にインタビューを敢行。原作へのリスペクト、NAOYAとの深い信頼関係、そして"愛することの勇気"を込めた撮影の裏側を語ってもらった。

――今回、人気コミックの実写ドラマの主演を務められましたが、作品に入る前に準備されたことや、役づくりで意識されたことはありますか?

「そうですね。静真はいわゆる"スパダリ"的なキャラクターなので、まず『スパダリ』という意味を調べることから始めました。自分と何が違うのか、大人っぽくて余裕があるってどんな感じだとか分析したり、静真に対して"紳士的"というイメージもあったので、父が読んでいた紳士雑誌『LEON』などを読みながら、"スパダリ"はこういう雰囲気なんだなと学びました」

――ご自身と似ている部分、逆に違うと感じた部分は?

「静真は動物好きなんですけど、自分もすごく動物が好きで、実家で犬を飼っているのも一緒です。作中に出てくる友人関係も、静真には近澤と辰巳という仲の良い友達がいて、自分にも同じように信頼できる友人が2人で、私生活的にも近い部分が多いなと感じました。そういう点は自然に演じられたと思います」

――共演のNAOYAさん(MAZZEL)とは昔からの友人と伺っています。共演時の空気づくりはいかがでしたか?

「初めての方だと距離を縮めるところから始めると思うんですが、NAOYAとはそういうプロセスがなく、すぐに演技に集中できました。お互いのキャラクターの解像度を高めるための時間を設けて、関係性をじっくり作ることができたと思います」

――原作を読まれて感じたことや、作品の魅力はどんな部分でしたか?

「『セラピーゲーム』は恋愛をすごく深く描いている作品だと思います。出会い方が衝撃的で、酔った勢いで出会ってしまうというのも普通では考えられない展開ですが、その中で"ノンケ"の男性が男性を好きになっていく過程がすごく美しくて、驚きが多かったです。読みながら『次はどうなるんだろう』とハラハラドキドキしていました。実写化するにあたっても、この緊張感やときめきを大切にしたいと思い、原作は何度も読み返しました。

静真の『裏切られても人を好きでいられる芯の強さ』は、特に意識して演じました」

――静真にとって、湊との関係性はどのように変化していったと思いますか?

「湊と出会った頃の静真は"他人ファースト"で自己犠牲の塊みたいな人なので、酔って手を出してしまったと思ったこともあって、責任を取るためだけの関係だと思っていました。でも、湊と一緒に過ごすうちに、少しずつ惹かれていっているなと思います。自分の中で演じていて決定的だったのは、遊園地のシーンで、今まではツンとしていた湊がふとした笑顔を見せた時に『この人、こんな顔をするんだ』と、そのギャップに惹かれて、湊に対して興味を示していったと思います。初めは、『相手が納得したらそれまでの関係』と思っていたのに、後半になるにつれて、『隣にいないと落ち着かない』『いつもそばにいたのに急にいなくなったらどうしよう』と思うような存在に変わっていったのが演じていても感じる部分があったので、感情の変化が大きく変わっていった部分だと思います」

冨田侑暉(龍宮城)、「セラピーゲーム」で演じた静真に重ねた"愛する勇気"――MAZZEL・NAOYAとの信頼で生まれた、実写BLドラマの"心の揺らぎ"
冨田侑暉(龍宮城)
冨田侑暉(龍宮城)

――湊のどんなところが静真を惹きつけたのでしょうか?

「湊は、自分をすごく守っている人なんです。過去を明かさないし、仲良くなっても簡単には心を開かない。兄弟にさえ出さない部分もある。その湊の性格を知ったうえで、湊が静真へ自分の昔話をしてくれた時に『認めてもらえた』『安心してもらえた』存在になれたと感じた瞬間がありました。それが静真にとって大きかったと思います」

――思いが交錯するシーンでは、特に大切にしていたことは?

「原作の雰囲気をできるだけ再現したいという思いがありました。手を置く位置や、キスに至るまでの描写など、細部までこだわって演じさせていただきました。原作を何度も読み直し、『静真はこの瞬間、どんな気持ちで湊に触れているのか』を監督と話しました。湊がどういう気持ちで待っているかも大事だと思ったので、NAOYAとも何度も話し合いながら、大切に挑ませていただきました」

――監督からの演出や印象的なスタッフの方はいらっしゃいましたか?

「監督からは『まずは思うようにやってみて』という感じで自由にやらせていただきました。テストの段階で自分たちから『ここは原作を忠実に再現したい』など相談することもあったり、監督から細かい指示が入ることは少なく、のびのび演じさせていただける現場でした。

現場はすごく楽しくて、皆さんが本当に家族のような存在で賑やかな現場でした。その中で印象的だったのは助監督さんで、にぎやかな方でした(笑)。毎朝、挨拶する度に『今日は絶対押さない!』と宣言してくれたり、撮影が夜になると一発芸をしたり、現場を楽しく引っ張ってくれて、本当に助けられました」

――撮影中、NAOYAさんとはどんな話をされていたんですか?

「基本的にずっと役の話をしていました。次のシーンの感情の確認や、キスシーンの時にお互いに『そっちどういう気持ちなの?』っていう話もよくしていて。プライベートな話よりも、作品のことをずっと考えていた印象です」

――昔からの友人として、印象の変化はありましたか?

「変わった部分もありますけど、いい意味で変わらない部分があって、NAOYAは昔から"魅せ方が上手くて"、自分が憧れていた部分でもあるんです。今回の撮影でも『顔の角度はこうした方がいいよ』とリードしてくれて、共演するにあたってより一層頼もしくて、演技に集中できました」

――今回の撮影で、俳優として学びや発見はありましたか?

「現場の雰囲気が自分のパフォーマンスにすごく影響するということを改めて感じました。ダークなシーンでは周りが話しかけずにそっとしてくれることでより集中できて、役に入り込めるとか。感情の作り方や、台本を覚える中での心の動かし方など、学びが多かったです。人としての深みも増した気がする時間でした」

――最後に、作品を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします

「原作が本当に素晴らしい作品なので、ぜひまず原作を読んでいただいてからドラマを観ていただきたいです。何度も観て、いろんな発見をしてもらえたらうれしいです」

文=HOMINIS編集部

放送情報

セラピーゲーム
放送日時:2025年10月29日より放送中 ※毎週(木)00:59~放送
チャンネル:日本テレビ系
出演=冨田侑暉(龍宮城)、NAOYA(MAZZEL)
小島梨里杏 松本享恭 阿部顕嵐 濱正悟 高崎寿希也
宮澤美保 村岡希美 川瀬陽太 田中麗奈 ほか

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