2年連続で佐々木勇気八段を挑戦者に迎えた竜王戦七番勝負は4連勝で防衛。5連覇で永世竜王の資格を得て、通算3つ目の永世称号を獲得。

また、通算32期目のタイトル獲得で、渡辺明九段を抜いて歴代単独4位となった。さらに将棋日本シリーズも優勝を果たし、2025年をいい形で締めくくった。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。

10月31日、11月1日に第38期竜王戦七番勝負第3局で佐々木勇気八段と対戦。端の駆け引きから、後手の佐々木が意表の四間飛車を採用する。対する藤井は居飛車穴熊に組んで持久戦に。藤井の攻めに佐々木が面倒を見る展開になるが、穴熊を生かした猛攻で形勢をリードする。以下は自玉の堅さを生かす指し回しで差を広げ、的確に勝ち切り七番勝負を3連勝とした。これで防衛まであと1勝に。
 
11月12、13日に竜王戦第4局で佐々木八段と対戦。角換わりから互いにバランス型の陣形に組み、長い戦いになる。少しずつポイントを稼いだ佐々木のペースになるが、藤井も鋭い反撃で玉に迫っていく。

藤井の勝負手が功を奏し形勢逆転すると、落ち着いて一手勝ちを収めた。これで七番勝負を4勝0敗として防衛。5連覇で史上最年少の永世竜王資格を獲得となった。タイトル獲得数32期は渡辺明九段を抜いて歴代単独4位。なお、第3位は中原誠十六世名人の持つ64期で、ようやく半数に到達した形だ。
 
11月23日に第46回将棋日本シリーズ準決勝で永瀬拓矢九段と対戦。後手の藤井は雁木を選び、永瀬が急戦を仕掛ける。丁寧な受けで徐々に局面をリードすると、たくわえた力で反撃。永瀬に粘りを許さず、快勝となった。これで将棋日本シリーズは2年ぶり3回目の優勝、通算12回目の棋戦優勝となった。

5連覇で永世竜王の資格を獲得!藤井聡太の11月の対局を振り返る
王将戦七番勝負の防衛に臨む藤井聡太
王将戦七番勝負の防衛に臨む藤井聡太

第74期ALSOK杯王将戦七番勝負の挑戦者は永瀬拓矢九段(31勝11敗)に決定。第1局は1月11日(月)、12日(火)に行われる。

第75回NHK杯将棋トーナメントは3回戦に勝ち上がっており、藤本渚六段(初手合)と対戦する。放映は12月21日(日)の予定。
 
11月27日に第33期銀河戦決勝トーナメント1回戦の岡部怜央五段戦が放映。角換わりからじっくりとした展開になり、藤井は右玉、岡部は穴熊に構える。戦いが始まってからは一転して激しくなるが、穴熊の急所を突いた攻めで藤井が抜け出して制勝。2回戦では服部慎一郎七段と対戦する。
 
SUNTORY将棋オールスター東西対抗で藤井はタイトルホルダーとして西軍での出場が決定。対局は12月14日(日)に行われる。

文=渡部壮大

放送情報

ALSOK杯 第74期 王将戦 七番勝負 第1局 藤井聡太王将 vs 永瀬拓矢九段
放送日時:2026年1月3日(土)20:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル (スカパー!)
※放送スケジュールは変更になる場合があります。

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