2025年の労働節による連休は、5月1日~5日でした。労働節は、上半期において春節の次に長い連休で、この期間は旅行需要が高まることで知られています。
文旅研报が発表したレポートによると、今年の労働節休暇は中国国内で旅行需要が急回復し、その内容もより多様化していることがわかりました。
本記事では、2025年労働節の動向やトレンドについて振り返ります。
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- 2025年労働節、中国国内の旅行者数・消費額は過去最高に
- 海外旅行が急回復 日本の予約数は90%増
- 2025年労働節の旅行トレンドは?
- 「文化+観光」が人気に
- パーソナライズ化が進み、ニッチな観光地を追求
- SNSの影響力が拡大
- OTAがオンライン・オフライン双方のサービスを強化
- 盛り上がる中国市場、夏のインバウンド動向に注目
目次
2025年労働節、中国国内の旅行者数・消費額は過去最高に
2025年の労働節休暇は、5月1日から5日までの5日間でした。休暇中、中国国内の旅行者数は3億1,400万人(前年比6.4%増)に達し、国内旅行の総消費額は1,802億6,900万元(同8.0%増)となりました。
2025年の労働節では、経済環境や豊富な観光商品の供給、旅行者の消費意欲の向上などによって、観光客数と消費額において過去最高を記録しました。
また、交通機関の利用も活発でした。航旅纵横(umetrip)のデータによると、4月22日時点の労働節休暇における国内航空券の予約総数は480万件を超え、前年同期比約33%増となりました。出入国路線の予約数も98万件を超え、前年同期比25%増となっています。
関連記事:2025年の労働節はいつ?中国の祝日とインバウンド動向を紹介
海外旅行が急回復 日本の予約数は90%増
中国の大手旅行予約サイト携程(Ctrip)のデータによると、2025年労働節休暇中の海外旅行予約は前年比76%増加し、海外旅行市場が急速に回復していることがわかりました。旅行先としては、日本、タイ、シンガポール、韓国、マレーシアが人気を集めており、日本の予約件数は前年比90%増となりました。
Ctripはこうした日本人気について、地理的な近さや観光資源のほかに、中国人向けビザの緩和措置を挙げています。
そのほかに人気の国として、タイは前年比85%増、シンガポールは同80%増となりました。
また旅行予約プラットフォーム去哪儿(Qunar)のデータからも同様の傾向が見られており、日本への航空券予約件数は前年比75%増となりました。
関連記事:中国で「労働節」連休スタート 大阪万博や瀬戸内国際芸術祭が日本人気を後押し
2025年労働節の旅行トレンドは?
レポートでは、2025年の労働節を踏まえ、中国旅行市場の特徴とトレンドについて分析されています。
「文化+観光」が人気に
2025年の労働節休暇では、文化と観光が融合する流れが顕著になっているようです。文化と観光の融合商品は旅行者に広く受け入れられており、労働節休暇中、無形文化遺産をテーマとしたツアーの検索数が大幅に増加しました。
家族旅行にも同様の傾向が見られており、「無形文化遺産+学習」といった商品の割合が大幅に増加しているようです。
パーソナライズ化が進み、ニッチな観光地を追求
旅行者の消費嗜好の多様化が進むにつれて、需要もパーソナライズ化されています。従来の人気観光地の混雑を避けるため、ニッチな観光地にて、静かな旅を求める旅行者が増えているようです。
レポートでは、こうしたパーソナライズ化が進む理由として、多くの旅行者が従来の旅行商品に満足せず、よりユニークな体験を求めていることを挙げています。
またソーシャルメディアの影響も大きく、旅行者はソーシャルメディアを通じて、これまで知らなかった観光地や旅行商品を発見できるようになりました。
関連記事:中国人の間で流行中の「逆向旅行(反向旅游)」とは?混雑避ける”穴場”が人気
SNSの影響力が拡大
観光におけるソーシャルメディアプラットフォームの存在感は、高まり続けています。
中国版TikTokの抖音(Douyin)によると、ショート動画の旅行コンテンツは、旅行先や消費行動の選択に影響を与えているということです。労働節休暇中、抖音における旅行関連動画の再生回数は前年比で80%増となりました。
特にニッチな観光地に関する動画の再生回数が大きく伸び、120%増となりました。
ショート動画を通じて旅行情報を入手する動きも活発で、旅行のヒントや旅行体験の共有に関する動画は、前年比で90%増となっています。
OTAがオンライン・オフライン双方のサービスを強化
また、オンラインとオフラインの融合がトレンドとなりました。
主要な旅行プラットフォームは事業領域を拡大し、オンラインとオフライン双方のサービスを強化して、旅行者により便利で包括的なサービスを提供しています。
たとえばCtripは、オンライン旅行予約だけでなく、オフライン店舗の展開を通じて、対面での相談やサービスを提供しています。労働節休暇中、Ctripのオフライン店舗を訪れた人は前年比で25%増加しました。
旅行者はオンラインプラットフォームを通じて観光情報を迅速に入手し、旅行商品を予約できるようになり、オフラインでも行き届いたサービスを享受できるようになったことで、体験が向上したということです。
レポートでは、今後もオンラインとオフラインの融合は多様化しながら進むと分析しています。
盛り上がる中国市場、夏のインバウンド動向に注目
2025年の労働節は、中国人観光客の高い旅行意欲が際立ったシーズンとなりました。海外旅行市場の盛り上がりも、継続すると予想されます。
2024年に日本を訪れた中国人観光客数はコロナ前の水準には届きませんでしたが、2025年は前年を上回る水準で推移しています。
まもなくやってくる夏休みシーズンは、訪日中国人がもっとも増加するタイミングです。今後さらなる活況が予想される訪日中国人の動向について、より注目する必要があるでしょう。
関連記事:中国人の海外旅行、2025年末に完全回復へ?中国企業のレポートから最新事情を解説
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<参照>文旅研报:2025年五一假期旅游数据及主要OTA平台数据分析
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