横浜市中区の「三溪園(さんけいえん)」では、4月11日(金)より、盆栽展や茶会、自然観察など五感を刺激する春イベントを開催中。
4月29日(火・祝)には、地元の子どもたちによるお囃子演奏と獅子舞の演舞も行われる予定で、春らしいにぎわいを届けてくれる。
ひとつ先の季節を歩く、新緑の三溪園
横浜のなかで日本の静けさを湛える場所、三溪園。生糸貿易で成功を収めた実業家・原三溪の手によって1906年に開園されたこの日本庭園は、17.5ヘクタールの広さに歴史的建造物と自然が巧みに融合した空間だ。京都や鎌倉から移築された古建築が配され、園内の10棟が重要文化財に指定されている。

そんな三溪園が美しく映える新緑の季節。2025年春、この特別な時期に合わせて、五感を満たす数々の催しが用意されている。園内を包むみずみずしい緑と静けさのなかで、日本の自然と文化にじっくりと向き合う機会が待っている。
盆栽から茶会まで、和の粋にふれる催し
園内ではまず「さつき盆栽展」が5月18日(日)から25日(日)まで開催される。花や葉の美しさだけでなく、器との組み合わせや全体の佇まいを楽しむ展示が目を引く。5月18日(日)と25日(日)には先着で苗木のプレゼントも用意されており、自然との距離が一層近づく。

また、5月11日(日)まで、「聴秋閣」奥の遊歩道が特別開放されるのもこの時期ならでは。三重塔を望むその道は、歴史ある建築と新緑の景色が調和し、思わず足を止めたくなる美しさ。さらに、5月10日(土)には三溪園ボランティアによる自然観察会が、10:30~と13:30~の2回開催される。見過ごしがちな植物や小動物の息吹に気づかされるだろう。
文化を楽しみたい人には、5月5日(月・祝)に開かれる茶会「春の一日庵」もおすすめだ。園内の歴史建築「蓮華院」で開催されるこの茶会では、和菓子と薄茶を味わいながら、時間の流れさえ緩やかに感じるひとときを体験できる。

音と句と、ときの重なりに身をゆだねる
春の賑わいを告げるのは、地域に根ざした「横濱本牧囃子連」によるお囃子の演奏と獅子舞の演舞。祭囃子が古建築に響く光景は、どこか懐かしく、心の奥に触れるものがある。
さらに、「第49回三溪園俳句展」も8月25日(月)まで開催される。年間を通じて寄せられた句から選ばれた秀作に、画家・広瀬美帆氏の挿絵が添えられ、静かで美しい展示が楽しめる。俳句という短い言葉の中に、日本の自然や感情の機微が息づいている。

日本文化の奥深さを再確認しながら、時間を忘れて過ごす春の一日。庭を歩き、音に耳を傾け、茶を喫し、句に想いを寄せる。そんな時間は大人にとっての贅沢ではないだろうか。日本の美と知的な愉しみを静かに味わえる庭園へ出かけてみては。
三溪園
開園時間:9:00~17:00(最終入園16:30)
所在地:神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
アクセス:JR根岸線根岸駅から市営バスで10分「本牧」下車、徒歩10分
横浜駅東口から市営バスで40分「三溪園入口」下車、徒歩5分
入園料:大人900円
公式サイト:https://www.sankeien.or.jp
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001606.000013670.html
(Fumiya Maki)