TBWA HAKUHODO社の釣り好き社員が日本釣り環境保全連盟と開発した、海に分解されるサステナブルなルアー「SUPPLEMENT LURE(サプリメントルアー)」が誕生し、応援購入サービス「Makuake」にて先行予約販売を開始した。
ロストした残留ルアーの課題解決に向けて、溶けると海へ栄養が行き渡る仕組みのアイデア商品だ。
海の環境保全を目指すルアー「SUPPLEMENT LURE」
根がかりして海に残されてしまう「残留ルアー」の数は、日本釣り環境保全連盟の調査によると国内だけでも年間約1,461万個、重さは約365トン(推計値 *1)にもなるという。ルアーはプラスチック製のものが多いため、マイクロプラスチックによる生態系への影響や、磯焼けの拡大などによる魚介類の生息地の減少問題などが懸念されている。
こういった「残留ルアー」の課題解決のために開発したのが、分解されると海に栄養(鉄イオン)を補給する新たな仕組みを組み込んだサステナブルなルアー「SUPPLEMENT LURE」だ。
TBWA HAKUHODO社の釣り好き社員が企画・提案し、日本釣り環境保全連盟とともに実現した環境課題解決プロジェクトから生まれた。
主原料は生分解される成分がメイン
同商品は生分解される成分を主原料としたプラスチックMater-Bi(マタビー)を使用し、万が一根がかりしても海洋中で12ヶ月以内に分解が始まるようになっている(*2)。
ルアーが溶けると海に栄養が行き渡る仕組み
さらに、使い捨てカイロの中身の鉄を使って水質改善に取り組むGo Green Japanと連携。同商品の中に「Go Green Cube」を封入し、ルアーが溶けると中に入っている鉄分が海に流れる仕組みを採用した。
東京海洋大学 佐々木剛教授の論文(*3)によると、使い捨てカイロの主成分である鉄と炭は、二価鉄イオンが長期的に定常的に供給され、硫化水素(H2S)の蓄積を著しく抑制する効果が認められたことに加え、悪臭の原因となるメチルメルカプタンの抑制効果も明らかになったとしている。
圧倒的な飛距離を実現し、釣果にも貢献
そして、同商品はゆったりとしたスラロームアクションと、ロッド操作による細かい首振りアクションを実現し、釣り人にとってもフレンドリーなルアーに仕上げた。36gのヘビーウェイトが生み出す圧倒的な飛距離は、ヒラメ、シーバス、青物、クロダイ、シイラ、サワラなど、あらゆるフィッシュイーターにアピールができる。
2024年12月に行った東京湾での実証実験ではシンキングペンシルと同様の動きを実現し、平均飛距離は60-70m、シーバス23匹という釣果になった。

釣りを楽しめる未来ために、豊かな海を守るアイテムを手に取ってほしい。
Makuake 購入ページ:https://www.makuake.com/project/supplelure/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000034082.html
(hachi)
*1 認定NPO法人日本釣り環境連盟「釣りの環境に関する調査」(N=300人に対して実施)
*2 2025年3月では実証実験は1年経過していないため、10か月経過時点で分解されていない箇所もみられる
*3 提供論文:https://researchmap.jp/t-sasaki385/published_papers/8475116/attachment_file.pdf