ミニマルミュージックの創始者として音楽史にその名を刻み、坂本龍一氏や久石譲氏をはじめ、数多くのアーティストに影響を与えたテリー・ライリー氏。そのキャリアを網羅する初のディスクガイド『テリー・ライリー完全版』が、4月30日(水)より発売する。

60年以上にわたる創作活動と、音楽の未来に手を伸ばし続ける巨匠の軌跡を、豊富な資料とともにたどる一冊だ。

ジャンルを越えて響く、テリー・ライリー氏の音世界

テリー・ライリー氏は、特定のフレーズを反復しながら進行する「ミニマルミュージック」を確立。ジャズ、ロック、エレクトロニックミュージックにも多大な影響を与えた。

本書カバーより(写真=三浦麻旅子)

代表作「In C」や「A Rainbow in Curved Air」だけでなく、2000年代以降のオーケストラ作品、合唱曲に至るまで、同氏の音楽はジャンルを超えた広がりを見せる。

インド古典音楽や即興演奏を取り込みながら、独自の“音の宇宙”を築き上げたその功績は、現代音楽史においても異彩を放っている。

豪華寄稿陣による全音源解説とインタビューも収録

本書では、ライリー氏の全ディスコグラフィを徹底解説。60年代から現在に至るまでのレコード、CD、カセット、さらには一部デジタルリリース作品まで網羅している。

また、クロノス・カルテットとの共作、近年の知られざる傑作群、さらにはシタール奏者ヨシダダイキチ氏や画家・横尾忠則氏へのインタビュー、作曲家カール・ストーン氏との巻末対談も収録。

本書P72~P73より

ライリー氏が歩んだ「即興」と「探求」の人生を、さまざまな視点から掘り下げる内容となっている。

自由で豊かな音楽の旅へ

サイケデリック・ムーブメントから現代のエクスペリメンタルシーンまで、テリー・ライリー氏が投げかけた波紋は、今も広がり続けている。

本書を手にすれば、彼の音楽が持つ自由さ、精神性、そして未来へと続く道を、より鮮やかに感じ取ることができるだろう。

音楽ファン、ミニマリズムファンならずとも、一度は触れておきたい“音の旅”への招待状だ。

テリー・ライリー完全版
発売日:4月30日(水)
編者:松村正人
仕様:A5判/並製/240頁
価格:2,860円(税込)
出版社:河出書房新社

書誌ページ:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309257938/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000936.000012754.html

(山之内渉)

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