6月3日(火)、世界的なオークションハウス「ヘリテージ・オークションズ」に、アポロ9号宇宙飛行士ラッセル・シュウェイカートに贈られた金無垢のオメガ スピードマスターが出品される。
歴史的にも重要な一品を筆頭に、ロレックスやパテック フィリップの希少モデルも揃い、時計愛好家垂涎の場となる。
宇宙の記憶を刻むゴールドスピードマスター
今回のオークションで最も注目を集めているのが、「オメガ ゴールド スピードマスター プロフェッショナル No.25」だ。この時計は1969年、アポロ9号の月着陸船飛行士ラッセル・シュウェイカート氏に贈られたもの。オメガ社が彼の任務と月面着陸の成功を讃えて製作した特別なモデルであり、単なる高級時計という枠を超えた、宇宙開発の歴史を物語るタイムピースである。
贈呈は1969年11月、ヒューストンのワリック・ホテルで行われたNASAのイベントにて。裏蓋には「宇宙飛行士 ラッセル・L・シュウェイカート…時とともに、時を通して、そして時間どおりに行われた人類の宇宙探求を記念して」と刻まれ、人類の冒険心と技術の結晶が詰まっている。
この時計はその後、彼の私物として長年机の引き出しに眠っていたが、2024年に偶然再発見され、50年の時を経て市場に登場する。来歴、保存状態、歴史的意義すべてにおいて極めて希少であり、コレクターならずともその存在に心を惹かれるだろう。
名門の至宝が揃う、珠玉の出品ラインアップ
今回のオークションでは、オメガに加えてロレックスやパテック フィリップ、F.P.ジュルヌといった名門ブランドの逸品が数多く並ぶ。
ロレックスの目玉は、「デイトナRef.6239 ポール・ニューマン コスモグラフ」。これは俳優のポール・ニューマン氏本人が愛用していたバリエーションと同型であり、黒と白、赤の三色が織りなすリバースパンダダイヤルが目を引く。
他にも、プラチナ仕様の「デイデイト II」やダイヤモンド装飾の「デイデイト 40」、1989年製の「デイトナ Ref.16520」など、稀少モデルが多数出品される。

パテック フィリップからは、「Ref.5370-001 スプリットセコンドクロノグラフ」が登場。端正なプラチナケースと、複雑機構を搭載した正統派クロノグラフは、時計愛好家の理想形ともいえる。
他にも、「ノーチラス クロノグラフ」「ジャンプアワー150周年モデル」など、個性際立つモデルが60本以上揃う。

腕時計の真の価値を宿す「物語」
高級時計の価値を決めるのは、素材や機能だけではない。誰がどのように使い、どんな時代を共に歩んできたか。その「物語」が、時計を唯一無二の存在に変える。今回のオークションは、まさにその本質を突くものだ。
アポロ計画の一員にして技術者でもあったシュウェイカートの時計が、50年の静寂を破って再び時を刻み始めようとしている。所有することは、時代の証人になることにほかならない。
自らの人生に、確かな物語と意味を重ねたいと思うなら、こうした一本に出会うことは何よりの贅沢だ。歴史と美意識が交差する舞台で、未来の継承者を待つ名品が、静かにその瞬間を待っている。
ウォッチ&ファイン タイムピーシズ シグネチャー オークションNo.5567
オークション全ロット詳細:https://jewelry.ha.com/c/search/results.zx?dept=2676&mode=live&auction_name=5567&type=surl-5567
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000135668.html
(Fumiya Maki)