人類はどこから来たのか。日本人はどのように形づくられてきたのか。

名古屋市科学館では、そんな根源的な問いに科学で迫る特別展「古代DNA―日本人のきた道―」を、7月19日(土)から9月23日(火・祝)まで開催する。

会場では、最新のゲノム解析で明かされつつある“日本人の起源”を、古人骨や土偶、8K映像とともに体感できる。

骨に刻まれた記憶から、日本人のルーツを読み解く

近年急速に発展した「古代DNA研究」は、遺跡から出土した古人骨に残る微量な遺伝子情報を解析し、人類の移動や交配の歴史を解明する分野。

船泊遺跡23号人骨 復顔(DNA情報に基づいて作成) 国立科学博物館

本展では、旧石器時代から古墳時代までの人骨に基づいた最新の研究成果を紹介。現代日本人にも受け継がれる“縄文人のDNA”など、教科書では学べない壮大な時間軸を辿ることができる。

考古資料と科学が融合、2万7000年の物語を描く

展示では、滋賀県で発見された土偶や、DNA情報から復顔された古人骨、祈りや暮らしを語る出土品の数々を展示。

考古学と自然科学の知見が組み合わさることで、古代人の営みがより立体的に浮かび上がる。

住居址D1-86から出土した最古段階の土偶 縄文草創期、1万3000年前、滋賀県相谷熊原遺跡、滋賀県

また、NHKと国立科学博物館による8K技術を駆使した高精細CG映像では、頭骨の構造や集団の移動などをダイナミックに可視化。進化と変容の歴史を、映像として“実感”できる貴重な体験が用意されている。

人と動物の共生史にも光を当てる

本展のもうひとつの見どころが、“ヒトとイヌ・ネコ”の関係に迫るパートだ。

古墳時代の土器に残されたネコの足跡や、渡来動物の考古資料を通じて、人類と動物の共生がもたらしてきた変化や文化を読み解いていく。

この夏、知的好奇心を刺激する“時間旅行”を味わってみてはいかがだろうか。

古代DNA―日本人のきた道―
会期:7月19日(土)~9月23日(火・祝)
会場:名古屋市科学館(愛知県名古屋市中区栄二丁目17-1)
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜および指定日(公式サイト参照)
入場料:一般1,800円

公式サイト:https://ancientdna2025.jp/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000230.000022390.html

(山之内渉)

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