森林保全団体「more trees」が、建築家の隈研吾さんがデザインした新作プロダクト「KODACHI」を6月25日(水)に発売した。
この棚はたとえ天地や前後を入れ替えたとしても、どの面もが正面となり得る美しさと柔軟性を備えており、ランダムに柱を組み立てる面白さがあるのも魅力だ。
隈研吾さんが代表を務める森林保全団体「more trees」
「more trees」は、音楽家の坂本龍一さんが2007年に創設し、現在は隈研吾さんが代表を務める団体。

撮影:©Designhouse
この団体は「都市と森をつなぐ」をキーワードに国内外24か所で森林保全活動を展開しており、植林や育林、カーボンオフセット、クリエイターや職人との協働による木材利用の推進、森林の魅力を伝えるワークショップの開催など、人と森が共に生きる社会を目指した取り組みを行っている。
遊び心を感じさせる組み立て式プロダクト「KODACHI」
今回発売された「KODACHI」は、隈さんが「木々の中に浮かんでいるような棚」をイメージしてデザインしたプロダクト。

このプロダクトは隈さん自身が以前デザインした「TSUMIKI」の断面を縦に伸ばして柱にしており、それを棚板のエッジに沿ってランダムに配置すると、置かれた物が柱によって“かくれんぼ”のように見え隠れする。
プロダクトを眺めているだけで、森の中で遊んでいるかのように楽しげな情景が思い浮かんでくるはずだ。

素材には北海道産のシナ合板を採用。
シナノキは日本固有種で、木材の伸縮が少ないため組立式のプロダクトに適している。TSUMIKIでは無垢材を使用していたが、KODACHIでは合板を用い機械加工を多く取り入れることで、熟練の職人だけでなく若手でも関われるものづくりに挑戦した。

「かけはし」への想いがこもった棚が誕生
前述の通り、more treesはそもそも、世界的に有名な音楽家である坂本龍一さんが立ち上げた団体だ。
坂本さんが逝去したあとは、彼の40年来の友人でもある隈研吾さんが代表へと就任。音と建築、異なる表現で自然と向き合ってきた2人の想いが重なったことから、今回のKODACHIという棚が生まれた。

more treesではKODACHIが1点購入されるごとに、「TREES FOR SAKAMOTO」を通じて高知県梼原町の森に苗木1本を植樹。
また、KODACHIの購入者にはTREES FOR SAKAMOTOのイメージ写真と、隈研吾さんのサイン入り植樹証明もプロダクトと共に送付する。

“棚”という漢字の右側にある“朋”は「友/仲間」を意味する。それが“木”と組み合わさることで、棚は崖に沿い木材で棚のように張り出して作った道――「かけはし」を意味するものとなった。
人と自然、都市と森、そして現在と未来をつなぐ「かけはし」に。坂本さんと隈さんの“祈り”と呼べるほど強い想いがこもったプロダクトとなるだけに、多くの人々を虜にすること間違いなしだ。
KODACHI
価格:36,000円(税抜)
サイズ:幅700 × 奥行220 × 高さ540mm(組立式)
重量:約5kg
耐荷重:450kg
商品ページ:https://more-trees-design-jp.stores.jp/items/68554d7845c8a9367f9538ef
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000029112.html
(IKKI)
撮影協力:廣瀬真也(KODACHI写真)