書家・Ayako Someya氏と陶芸家・新里明士氏による2人展「銀河の怜瓏」が、東京・広尾の文化施設「コートヤードHIROO」にて7月26日(土)から開催される。伝統技術に根ざしながらも、現代的な解釈を加えた両者の作品は、ただ「観る」だけではない、五感を通じた深い体験をもたらす。
感性を研ぎ澄まし、日常から解き放たれる時間を楽しんでみては。
宇宙を描く書と光を刻む器の競演
今回の展覧会は「宇宙」をテーマに、書と陶という異なる伝統表現が交錯する特別な空間を創出する。Ayako Someya氏は、化学記号を題材とした独自の書表現で知られ、その筆跡には物質の根源と生命の営みがにじむ。対する新里明士氏は、透かし彫りに透明釉を施す高度な技法「蛍手」によって、光の軌跡を器に封じ込める。

【参考画像】Ayako Someya《Lazulite》2021, Ink on paper,Courtesy of the artist and Tokyo Gallery+BTAP.
両者に共通するのは、技術を超えて「見えないもの」を表現しようとする姿勢だ。展覧会タイトル「銀河の怜瓏」は、宮沢賢治の詩から着想を得ている。幻想的な世界観と物理的な宇宙観が交錯し、現代における美と知のあり方を問い直す内容となっている。

新里明士《光軌 trajectory of light》2024, Porcelain, Courtesy of the artist and Yutaka Kikutake Gallery
さらに、哲学者ユク・ホイの技術観に呼応するように、東洋的思考から再構築された「宇宙技芸」の在り方が、作品を通して静かに語られる。単なるビジュアルアートに留まらず、知性と感性の交差点としてのアート体験が待っている。
味覚と香りで楽しむ限定アイテムにも注目
展覧会に先駆けて、7月25日(金)にはオープニングレセプションが開催され、オリジナルカクテルとともに作品世界を味わえる一夜限りのプレビューが用意されている。
また、記念として販売されるコラボレーション商品も見逃せない。Someya氏が手掛けたラベルの国産プレミアムウォッカ「KEYS&BRICKS」と、新里氏による特製酒杯がセットとなった特別アイテムは、視覚・味覚・嗅覚を満たす逸品。国産米を使用し、五つ星ホテルでも支持されるこのブランドは、日々の食卓に洗練をもたらす存在として注目されている。

書と器、そして酒。
緑に包まれる都会の中庭で、静寂を愉しむ
会場となる「コートヤードHIROO」は、欧米の中庭文化を日本的感性で再解釈した文化施設だ。歴史ある建築を再生し、周囲の自然環境と調和させたこの空間は、都会にありながらも四季の移ろいを感じさせる静謐な佇まいを保っている。

展示だけでなく、敷地内の庭園を散策しながら、季節の風や木々のさざめきを感じることで、作品が語りかける「宇宙」と呼応する時間が得られる。知的好奇心を満たしつつ、自然と一体となるひとときを過ごすことで、身体と精神がほどけるような感覚に包まれるだろう。
Ayako Someya+新里明士2人展:銀河の怜瓏
会期:7月26日(土)~8月11日(月・祝)
営業時間:12:00~19:00
オープニングレセプション及びプレビュー:7月25日(金)18:00~20:00
会場:コートヤードHIROO
所在地:東京都港区西麻布4-21-2
休日:最終日の祝日を除く、月曜日は休廊
公式サイト:https://cy-hiroo.jp/gallery/ginganoreirou/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000088023.html
(Fumiya Maki)