8月30日(土)まで、大阪の現代美術ギャラリー「ICHION CONTEMPORARY(イチオン コンテンポラリー)」で、画家の守谷史男氏による個展「Shangri-La ー理想郷を求めてー」が開催されている。
“心の中の理想郷”を求めて、半世紀以上にわたり創作を続けてきた守谷史男氏の情熱を感じてほしい。
日本のアート界をけん引する守谷史男氏
守谷史男氏は関西を拠点にアートの前衛表現をけん引してきた、日本でも確固たる地位にある画家の一人。同氏は行動美術協会や現代美術グループ「Ge」の主要メンバーにも名を連ねているほか、かつては大阪芸術大学の教授として後進を育成し、日本美術の発展に大きく貢献してきた。

守谷氏は1960年代から70年代初頭にかけて、「人体」をテーマに掲げ、生身の体と無機的な構造物を対比させる具象表現を探求。しかし1975年の渡米を機に作風は大きく転換し、絵画の根源的要素である「線」「面」「色面」へとフォーカスするようになった。
1980年代にはスクラッチ技法による『作品』シリーズや、変形パネルを用いた『跡』シリーズを展開。1990年代に入っても、棒や骨のような形体を秩序立てて並べた『列』シリーズや、韓国の円墳や霊廟の構造に着想を得た『廟』シリーズを発表するなどして、精力的な活動を続けた。

守谷氏の長年にわたる創作活動は、展覧会の履歴にも表れている。
守谷氏は1962年より「行動展」に継続的に出品し、1975年以降は「Ge展」でも活躍。東京国立近代美術館や東京都美術館、兵庫県立近代美術館など、国内の主要美術館でもたびたび作品が紹介されてきた。近年ではICHION CONTEMPORARYで個展を重ね、その独特の表現や作風で再び注目を集めている。

個展を通じて守谷氏の軌跡を辿る
今回の個展名にもある“シャングリラ”とはそもそも、作家のジェームズ・ヒルトン氏が1933年に発表した小説『失われた地平線』に登場する理想郷のことを指す。
これまで守⾕氏が描いてきた作品には、「物質と⾏為」「記憶と時間」「構築と痕跡」といったキーワードが交錯してきた。自身の表現を探求していく姿勢は、まさに“理想郷(シャングリラ)を追い求める旅”のようでもある。



守谷史男氏という一人の作家が辿ってきた果てなき旅路。気になった人はギャラリーまで足を運び、その迫力を自身の肌で感じてみては。
Shangri-La ー理想郷を求めてー
期間:7⽉15⽇(⽕)~ 8⽉30⽇(⼟)
開館時間:11時~18時※最終⼊場17時30分/最終⽇のみ最終⼊場16時30分、17時閉館
休館日 :日・月・祝日
場所:ICHION CONTEMPORARY
所在地:大阪府大阪市北区野崎町9-7
ICHION CONTEMPORARY公式サイト:https://ichion-contemporary.com/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000149227.html
(IKKI)