未だ正体がわからず、全てが謎に包まれるアーティスト、バンクシー氏。彼の作品の謎に迫る一冊が日本にも登場。
青幻舎が、ジャーナリストのウィル・エルスワース=ジョーンズ氏が手がけた、バンクシー氏の“消えた作品”にスポットを当てた書籍『失われたバンクシー あの作品は、なぜ消えたのか』を8月下旬に刊行する。
バンクシー氏の“消えた作品”に想いを馳せる
『失われたバンクシー あの作品は、なぜ消えたのか』は、バンクシー氏が世界各地に残した作品のうち、現在は原型をとどめていない50点に着目。それぞれの作品がどのような経緯で消えていったのかを、関係者へのインタビューや豊富な写真資料を通じて解き明かす。

たとえば、アメリカ・デトロイトに描かれた『消えるダイヤモンド(The Disappearing Diamond)』は、作品が富裕層に買われてしまうことを防ごうとしたファンが撤去を試みる。しかし最終的には作品の行方がわからなくなり、その姿を消してしまう。

また、イギリスの模型村メリベール・モデルビレッジに突然現れた『80万ポンドの馬小屋(The £800,000 Stable)』は高い観光効果を生んだが、オーナーの不安から競売にかけられ80万ポンドで落札されている。

さらには、作品保護のためにアクリル板で覆われたことで鑑賞自体が難しくなってしまった『木の外科手術(Tree Surgery)』のように、ストリートアートであるにもかかわらず皮肉な状況になってしまった事例もある。

バンクシー氏研究の第一人者が書籍を執筆
同書を執筆したウィル・エルスワース=ジョーンズ氏は、イギリスのサンデー・タイムズ紙で主任記者やニューヨーク特派員を務めた実力派。彼はこの他にも、テレグラフ紙、インディペンデント紙、サガ紙で編集部門の要職を歴任している。
日本版における翻訳監修は、社会学者として知られる毛利嘉孝氏が務めた。彼はこれまでに『バンクシー アート・テロリスト』『覆面アーティスト バンクシーの正体』などの書籍も監修した、バンクシー氏に関する確かな知識を持つ人物だ。
作品の“消滅”を通して、アートの未来と倫理を問いかける『失われたバンクシー あの作品は、なぜ消えたのか』。バンクシー氏の作品がなぜ世界を魅了し、そしてどこへ消えていったのか──その輪郭を探る旅が、この一冊から始まる。
失われたバンクシー あの作品は、なぜ消えたのか
価格:2,970円(税込)
著者:ウィル・エルスワース=ジョーンズ
翻訳監修:毛利嘉孝
体裁:B5変/144頁/上製
書籍ページ:https://amzn.to/4lkhFzQ
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000008640.html
(IKKI)