東京ミッドタウンで毎秋開催されてきたデザインイベントが、今年新たな進化を遂げる。「DESIGN TOUCH」から「DESIGN LIVE」へと名を変え、18回目となる今回は“あたりまえの日常が、おもしろくなる”をテーマに、生活あるデザインに光を当てる。
多彩なクリエイターによる展示やイベントを通して、好奇心と美意識を刺激する時間が六本木に広がる。
「デザインとは、間をつなぐもの」本質に触れる空間体験
東京ミッドタウンのデザインイベントは、2007年から続く人気企画だが、今年は改めて「そもそもデザインとは何か?」という問いを軸に再構成された。生活のあらゆる場面で、人と人、人と社会、物と空間、その「あいだ」を適切につなぐものがデザインだという視点から企画されたのが「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE」だ。
また、ロゴにも象徴されるように「I(愛)」の内にある“気遣い”を重視しながら、四角いハートがやがて丸く変化していくモチーフが示すように、デザインの本質は他者との関係性の中に息づく。その哲学がイベント全体に行き渡っている。
今回クリエイティブディレクターを務めるのは、グラフィックデザイン界の重鎮・佐藤卓氏。日常に溶け込んだ商品パッケージから公共デザイン、教育番組の監修に至るまで、幅広くデザインの可能性を拓いてきた同氏の手によって、イベントは思考と感覚をゆさぶる場として展開される。

佐藤 卓 氏
さらに、展覧会のキュレーションはデザインジャーナリスト・土田貴宏氏が担当。生活に密着したデザインの最前線を捉え続ける視点が、訪れる者の価値観を更新するような出会いを演出する。

土田 貴宏 氏
芸術と実用のあいだを旅する、成熟した感性への招待
メイン会場である東京ミッドタウンの館内外では、注目のクリエイターによる展示が行われる。参加予定の作家は、AtMa、we+、SO TANAKA、竹下早紀など、現代の空間やプロダクトに新たな視座を持ち込む気鋭が名を連ねる。
昨年までの「DESIGN TOUCH」は芝生広場を中心に多彩な催しが展開され、多くの来場者で賑わった。今年から「DESIGN LIVE」として、規模はそのままに本格的なエキシビションを主軸に据え、館内外のイベントもテーマ性を強化している。

この秋、ミッドタウンを訪れることで、ただの買い物や食事では味わえない時間がそこにある。自らの生き方や空間へのまなざしを微細に調整し、日常に美と知を取り戻す。大人の余裕と好奇心を持つ世代にこそふさわしい、そんな知的体験が待っている。
TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025
期間:10月10日(金)~11月5日(水)
場所:東京ミッドタウン各所
公式サイト:https://www.tokyo-midtown.com/jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000324.000027065.html
(Fumiya Maki)