8月2日(土)、愛媛県今治市にて「丹下健三-世界のTANGE-特別展」がスタートする。
3会場同時開催・すべて入場無料という大規模な本展は、建築家・丹下健三の功績をたどりながら、彼が思い描いた都市の未来を体感できる内容となっている。
都市そのものをキャンバスに見立てた、今治発の建築文化プロジェクトがいよいよ動き出す。
今治市公会堂(設計:丹下健三) 瀧本幹也《KENZO TANGE №06・Imabari》 2025年©Mikiya Takimoto
パリから今治へ。都市と建築を見つめ直す巡回展
今回の特別展では、2024年にパリで開催され好評を博した「丹下健三と隈研吾 東京大会1964/2020の建築家展」の凱旋展示を含む3つの企画を展開。
今治市民会館・玉川近代美術館・河野美術館を舞台に、建築家・丹下健三が設計した実際の建築物も巻き込むかたちで、市全体を“まるごとミュージアム”として開放する。
今治市庁舎本館(設計:丹下健三) 瀧本幹也《KENZO TANGE №21・Imabari》 2025年©Mikiya Takimoto
丹下氏が手がけた今治市庁舎や市民会館は、都市全体を一つのデザインとして捉えた構想のもと配置されており、建築ファンのみならず都市デザインに関心のある人々にも見応えある展示となるだろう。
巨大模型とともに語り合う「これからの今治」
今治市民会館では、まちづくりの拠点となる「世界のTANGEビジターセンター」を設置。目玉展示となるのは、今治市中心部を再現した約2.5m×1.7mの巨大模型だ。
市民や来場者が模型を囲みながら、丹下氏が描いた都市構想と今後の街のあり方を重ねて語り合える空間となっている。
今治市公会堂(設計:丹下健三) 瀧本幹也《KENZO TANGE №01・Imabari》 2025年©Mikiya Takimoto
初日には、建築家・隈研吾氏や丹下健三氏の子息である丹下憲孝氏も来場。ギャラリートークや開展式も予定されており、注目を集めそうだ。
建築とアートが交差する、今治ならではの特別な文化体験
玉川近代美術館では、パリ展でも話題を呼んだ「明治神宮内苑・外苑模型」を展示。
国立代々木競技場や2020年の国立競技場といったオリンピック建築の模型や写真を通じて、時代を超えて継承される都市ビジョンが紹介される。
河野美術館では、建築家・丹下健三の人生と今治との関わりを軸に、彼の思想や足跡を辿る展示を構成。
都市と建築の未来を再考するこの特別展に、足を運んでみてはいかがだろうか。
丹下健三-世界のTANGE-特別展
開催期間:8月2日(土)~9月28日(日)※会場により会期・休館日異なる
会場:今治市民会館/玉川近代美術館/河野美術館(すべて愛媛県今治市)
料金:すべて入場無料
主催:今治市
公式サイト:https://kenzotange-imabari.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000136949.html
(山之内渉)