燕三条の金属加工技術を結集した新たなコレクティブ「FOR THE METAL PEOPLE」が、インドネシアのバリ島で開催されたデザインイベント「Jia CURATED 2025」に出展。伝統と革新を融合させた道具や器具が、海外の洗練されたデザイン市場でその価値を発信した。
高度な技術と現代的感性が交差する燕三条のものづくりの魅力を紹介しよう。
燕三条の技術と文化を結ぶ新たな挑戦
燕三条は、包丁や鋏、酒器、アウトドア用品まで幅広い金属加工品を生み出す産地として知られる。伝統技術を守りつつ、時代の変化に合わせ柔軟にものづくりの形を変化させてきた歴史が、この地域の強みだ。「FOR THE METAL PEOPLE」は、2013年に始まった「燕三条 工場の祭典」の立ち上げに携わったメンバーを中心に結成され、地域の技術と文化を国内外に発信する新たなコレクティブとして注目を集める。
8月14日(木)から18日(月)まで、インドネシア・バリ島のBali Festival Parkで開催された「Jia CURATED 2025」に、金属加工の工場11組が参加。テーマ「変わりゆく視点」に沿い、伝統を守りながらも時代とともに進化する燕三条のものづくりを紹介した。会場では、ナットをモチーフにした六角形の什器やスツール、映像での技術紹介、参加工場の製品販売など、多角的に地域の魅力を発信した。

FOR THE METAL PEOPLE「Jia CURATED 2025」参加工房
芸術とも言えるアイテムを生み出し、FOR THE METAL PEOPLE「Jia CURATED 2025」に参加した工場の一部を紹介しよう。
IPS PLIERS(アイピーエスプライヤ)
1940年創業、日本唯一のプライヤ専業メーカー。MADE IN JAPANにこだわり、高品質かつ機能的な工具を「IPS」ブランドで展開。国内外で愛用される。

玉川堂
1816年創業、鎚起銅器の技を継承する金属加工メーカー。茶器や酒器など幅広く製造し、世代を超えて使える銅器を提供。若手職人による新製品開発も活発だ。

諏訪田製作所
1926年創業。ニッパー型刃物の製造に特化し、美を追求するつめ切りやキッチンシザーズを自社職人が手がける。国内外で高評価を獲得している。

機能美とデザイン性を兼ね備えた燕三条から生まれる逸品たち。道具にこだわりたい大人にはそそられるものがある。
工場の街、燕三条の「祭典」
金属加工の産地、新潟県燕三条地域の工場が10月の4日間、一斉にKOUBAを開放し、ものづくりの現場を見学体験できるイベントを2013年から開催している。現在では100を超えるKOUBAが参加。さらに、365日いつでもものづくり現場に触れられる地域を目指し、約30社の工場見学が可能となっている。

地域のものづくりを知るだけでなく、若者が職人を目指すきっかけ創出もテーマとしている。今年も要チェックの祭典だ。
FOR THE METAL PEOPLE
公式Instagram:https://www.instagram.com/for_the_metal_people/
IPS PLIERS(アイピーエスプライヤ):http://ips-tool.co.jp/
玉川堂:https://www.gyokusendo.com/
諏訪田製作所:https://www.suwada.co.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000167662.html
(Fumiya Maki)
Photo:Osami Takeda