東京で好評を博した実験展示「AI is Not Magic」が9月1日(月)~10月4日(土)、大阪・天満のFabCafe Osakaで開催となる。
生成AIを題材に、暮らしや創作活動との関わりを問い直す同展。
東京展での様子 Photo by Kusk
「AI is Not Magic」どんな距離感で付き合うのか
同展は「テクノロジーは魔法ではない」というテーマのもと、生成AIの便利さの裏にある構造やロジックを可視化し、理解することを目的としている。
東京展でも注目を集めたジェームズ・ブライドル氏の「AI Chair」は、ChatGPTに廃材から椅子をデザインさせ、実際に制作する試みだ。人間とAIの対話がデザインを形にする過程を体験できる作品である。

Photo by Kusk
さらに、ゲーム開発者・木原共氏を中心に展開される「演画」プロジェクトでは、プレイヤーがAIと協力または対立しながらストーリーを進める参加型マンガが紹介される。AIがキャラクターを演じ、人間の言葉に応じて展開が変わることで、物語の決定におけるAIの役割を問い直す仕組みとなっている。

Photo by Aya Kawachi
バルセロナを拠点とするDomestic Data Streamersによる「Synthetic Memories」では、失われつつある個人の記憶をAIによってビジュアル化し保存するプロジェクトを展示。移住や高齢化、病気などにより途切れそうな記憶を可視化することで、人間のアイデンティティとAIの関わりを考える機会を与える。

どの展示もこれからのAIとの付き合い方を考えるきっかけになるものだ。興味をそそられることは間違いない。
大阪ならではの企画「バグドリンク」
展示期間中の9月24日(水)には、ユニークな体験型イベント「バグドリンク研究所」も開催される。
来場者が入力した要望に対してAIが奇想天外な“ボケ”を返し、それに人間が全力でツッコミを入れながら飲み物を完成させるワークショップだ。大阪らしい笑いの要素を交えつつ、AIと人間の協働を体感できる実験的なプログラムになっている。

AIを正しく理解するための展示
今回開催の「AI is Not Magic ~大阪巡回展~」は、AIを共に未来を形作る存在として捉え直す場となるだろう。

東京展での様子 Photo by Kusk
AIを使うことが当たり前となった時代にこそ、立ち止まってその仕組みや影響を理解しようとする姿勢が求められている。同展はその第一歩を体験できる貴重な機会となるだろう。
AI is Not Magic ~大阪巡回展~AIと私たちの立ち位置を探るための34日間
会期:9月1日(月)~10月4日(土)
時間:10:00~20:00(カフェオープン時間に準ずる)
場所:FabCafe Osaka
所在地:大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4
公式サイト:https://fabcafe.com/jp/events/osaka/250901_aiisnotmagic/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000158.000004703.html
(Fumiya Maki)