カナダ・ケベック市在住の写真家、エヴ・カデュー氏によるアジア初個展「J’AI VU LE FUTUR(私は未来を見た)」が、奈良市にある「MOMENT Contemporary Art Center」で開催される。期間は10月17日(金)から2026年1月18日(日)までで、入場料は無料。
「大阪・関西万博」の閉幕と共に、万博が社会にもたらしてきた影響について考えるきっかけとなる写真展だ。
エヴ・カデュー《J’AI VU LE FUTUR》Barcelona 1888 > 2023
万博の跡地から「未来」を再考するシリーズ
写真を通じて記憶や物質、消費文化に対する批評的実践を25年以上続けてきたカデュー氏にとって、「J’AI VU LE FUTUR(私は未来を見た)」は10年以上継続されている代表的なシリーズだ。
世界中に点在する万博跡地は、姿を変えて現在も地域の人々に利用されることもあれば、そのまま放置され廃墟化が進むことも、今なお新たな役割を模索することもある。万博が“未来の祭典”として開催されてきたことを考えると、それぞれの万博が示した「未来」との関係において矛盾をはらんでいる点は否めない。
モントリオール万博(1967年)跡地を訪れたことをきっかけに、世界の万博跡地を撮影してきた同氏は、万博の跡地をこうした「実現しなかった未来」として位置づけ写真作品シリーズを展開。人類の進化と発展、そしていずれ達成されるべき平和を目指した万博のその後を写しながら、「未来」から置き去りにされた跡地に生きる我々の現在を再考する。

エヴ・カデュー《J’AI VU LE FUTUR》New York 1964-1965 > 2022
初日はトークイベント&レセプション開催
初日の10月17日(金)には、14時から同氏のトークイベント、16時からレセプションを開催する。定員は20名で入場料は無料だ。申し込みは専用フォームからできる。
写真を通じて批評的実践を行う写真家
エヴ・カデュー氏はモントリオール生まれ、ケベック市在住の写真家。1999年にモントリオール大学で美術史の修士号を取得しており、写真家として活動するほか教育・キュレーション分野でも活躍する。代表作は「J’AI VU LE FUTUR」だが、他に回顧展「TOUTES CES CHOSES」や個展「Empreintes et dérivés」がある。2021年には初のモノグラフ『Le Collectoir』を出版した。

普段思いを馳せることは決して多くないであろう万博跡地に触れることは、現代社会を新たな視点で見つめる良い機会となりそうだ。
エヴ・カデュー「J’AI VU LE FUTUR(私は未来を見た)」
会期:10月17日(金)~2026年1月18日(日)11:00~19:00
会場:MOMENT Contemporary Art Center
所在地:奈良県奈良市三条町484-1-1 マルシンビル1F
定休日:月・火曜、年末年始
個展詳細ページ:https://momentcac.jp/exhibition-4
会場公式サイト:https://momentcac.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000048411.html
(Mayu)
※開場時間は10月17日(金)のみ14:00~19:00