人間の性(さが)と救済を、言葉なき身体の軌跡で描く現代サーカス作品『DADDA』が、12月5日(金)~7日(日)の3日間、KAAT神奈川芸術劇場にて、創作途中であるワークインプログレス版『DADDA 2025横浜版』として初公開される。
芥川龍之介作『蜘蛛の糸』を題材とした日仏共同創作の作品は、観る者の胸に深い問いを残すことだろう。
コラージュ:行貝チヱ
見たことのない世界を描く現代サーカス『DADDA』
芥川龍之介の短編『蜘蛛の糸』に着想を得た現代サーカス作品『DADDA』は、人間の業や裁き、光と影といったテーマを、言葉を使わず身体と空間の表現で描き出す作品だ。
今回上演される『DADDA 2025横浜版』は、2027年春の完成に向けた創作途中のワークインプログレス版となっている。
サーカスは、身体の極限に挑む芸術。競争、嫉妬、独占欲といった人間の性(さが)を、罠や罰、裁き、そして救いとして表現する同作品では、重力と無重力、生と死が交錯するなかで、観る者の胸に“善”と“悪”の境界を問いかける。
現代サーカスの創造団体である「瀬戸内サーカスファクトリー」と、フランス現代サーカス界随一の技術力を誇る「Cie Basinga」の共同創作による作品が語りかける「見たことのない世界」を、この目で目撃したい。

瀬戸内発の日本における現代サーカスのパイオニア
瀬戸内サーカスファクトリーは、2012年の設立以来、鉄道整備工場や寺院、美術館、庭園、葡萄畑など、その空間を舞台にした歴史や特性を表現に取り込むサイトスペシフィック作品を多数発表してきた。
近年は劇場作品にも挑戦し、地元産業との連携による『Workers』、フランスとの共同創作による『DADDA』など、サーカスの新たな可能性を切り拓いている。
『DADDA』では、罪と罰、地獄と極楽、命を繋ぐ1本の糸などが、身体表現や重力、円環の動きによって表現される。さらに、瀬戸内サーカスファクトリーのシグニチャーといえる石や木、紙などの自然素材が、サーカスにどう生かされるのかにも注目だ。

観る者の感性を揺さぶる舞台に触れ、『蜘蛛の糸』の世界を実際に体感してみたい。
日仏共同創作 現代サーカス『DADDA』2025横浜版
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
所在地:神奈川県横浜市中区山下町281
公演日時:12月5日(金)19:30*、6日(土)13:00/18:30、7日(日)14:00*
価格:前売 4,000円/当日 4,500円(自由席・税込)
詳細・予約ページ:https://www.kaat.jp/d/dadda
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000169712.html
(IGNITE編集部)
* 終演後にアフタートークを行う