スペイン発の建材メーカー「COSENTINO」とデザイナー・James Kaoru Bury氏が協働し、建材廃材を再活用したインスタレーション《PIECE OF REST》を発表する。
本作は、10月31日(金)から開催される「DESIGNART TOKYO 2025」にて、南青山のCosentino City Tokyoで展示される予定だ。
役目を終えた素材に、価値を与える
COSENTINOは、クォーツストーンや超大判セラミックなどを扱うスペインの建材メーカー。世界114カ国に素材を供給し、建築とデザインの両領域で広く用いられてきた。
その生産工程では、原板を切り出した後に行き場を失う廃材が生まれるという。
今回の展示では、その“余白”に新たな可能性を見出し、工場で廃棄予定だった大判タイルのみを使用。役目を終えた素材に再び価値を与え、人が安らぎを感じる空間=“Rest”を形づくる。
職人の技が紡ぐ、再生の造形
展示制作では、岐阜県の石材加工会社・クリエストンの職人たちが参加。大型設備による精密なカットや、斜めのトメ加工、さらに手作業での研磨など、高度な技術を駆使して廃材を新たな形へと生まれ変わらせた。
これまで建築資材として扱われてきた素材が、職人の手とデザインの視点によって、静謐な造形物へと再構築されている。
自然の情景を写すインスタレーション《SATSUKI》
展示作品のひとつ《SATSUKI》は、「眺めるための情緒的な洗面台」という発想から生まれた水盤の作品。湖面にそよぐ風をモチーフに、SPLINE DESIGN HUBとの協働で独自設計の装置を開発し、水の波紋を再現している。
水という自然物と最新技術が交わることで、静けさの中に生命の気配を感じさせる空間が生まれた。
廃材に新たな生命を吹き込む《PIECE OF REST》の空間で、静かな再生の物語に触れてみてはいかがだろうか。
DESIGNART TOKYO 2025
会期:10月31日(金)~11月9日(日)
時間:10:00~19:00
会場:Cosentino City Tokyo
所在地:東京都港区南青山6-4-14 INOX青山
公式サイト:https://www.designart.jp/designarttokyo2025/exhibitions/10822/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000143321.html
(山之内渉)